【○魂】逃げた子兎、支配する兎 5【神威】

子兎から兄兎へ ページ1

拝啓 宇宙のどこにいるか分からなくなっちゃった神威


お元気ですか？ 私は元気です。
神威とこんなに会わなかったのは、神威がらくよーに迎えにきてくれる前以来ですネ。

かってに出てきたこと、怒ってますか？
約束破ってゴメンナサイ。

だけど神威にも聞いてほしいヨ、阿伏兎以外にも、
私地球でたくさんお友だちができました。


一緒に暮らしてる銀ちゃんは、天パでマダオで、神威より年上だけどビンボーです。

だけど膝に乗せてくれるし、
一人で寝るのが寂しくてお願いしたら
いつも一緒に寝てくれるヨ。

神威は大丈夫？
もしも寂しかったら、阿伏兎にお願いしてみてネ。


それと、メガネでメガネとメガネな新八もいます。
メガネだけど、オカンみたいにご飯作ってくれたり色々してくれるヨ。

私は今この二人と万事屋として一緒に働いてます。


それからそれから、
そーごとトシ。

そーごは、いつもからかったりイジワルなこと言ったりしてくるけどイイとこも……イイとこ……？

トシは、妖怪マヨラーニコチンコって銀ちゃんに教えられたケド
おいしいご飯食べさせてくれたり後けっこー気が合うネ。

あとヅラとその相棒のエリー。
ジョーイとヅラじゃない桂だっていうのがヅラの鳴き声で、
エリーはプラカードでお話するヨ。


そしてみんな侍っていう不思議な生き物です。
普段はへなちょこだったりまるでダメな野郎だったりするのに、

“武士道”っていう信念をもっていざって時はとても強い、折れない戦士になるのです。



他にも新八のお姉ちゃんのポイズンクッキングが得意で絶壁ってコトバに敏感な姉御とか、

最近はいつでもどこでも銀ちゃんのストーカーってやつをしてる納豆臭いさっちゃんとか、
女のひともいるのヨ。


江戸って街はいっつも騒がしくて、いっつも何かが起こってる、そんなところです。

そんな日常を、一緒に過ごすみんなが私はだいすきになりました。

こないだパピーも地球に来ました、色々あったけど地球に残るのを認めてくれた。


だからまだ私は帰りません。
どうかそれを神威も許してください。
必ず帰るから、待っていてください。


でも神威に会えないのはいくらみんながいても寂しいヨ、いっそ神威も地球に住みませんか。
正義の味方地球本店じゃダメですか。




伝えたいことはまだいっぱいあるケド、ここまでにするネ。

この心の手紙が、神威の元にまで届けばいいのにな。

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