【銀魂】逃げた子兎、支配する兎 6【神威】

夜の花見も乙なモンだ ページ45

「新人に花見の場所取りひとつさせんのも、
パワハラだなんだって騒がれるたァ、生きづれー世の中になったモンだな。
うっかりセクハラなんかで訴えられてみろ、一気に社会的地位の墜落だ
ああ怖い怖い」

「大丈夫アルヨ銀ちゃん！
元々ほぼ最底辺にいる人間は、これ以上堕ちようがないから安心するネ」

「あれ……おかしいな安心どころか涙でてきた。
新八ィ、もうちょいそっち引っ張れっか」


「真実なだけに心に刺さるんでしょ、よいしょ……っと、このくらいですか？
まぁ、そんなご時世だからこそ僕らに依頼が回ってきたってことでいいじゃないですか」

先日、万事屋に久しぶりの依頼が入った。
依頼内容は、ある会社で行われる花見の場所取りの代行。

毎年の恒例行事となっている花見だが、社内コンプライアンスの見直しとかなんとかで今年から新人に場所取りさせることが禁止となったのだと依頼主は言っていた。

そうして銀時、新八、A
万事屋一同は、依頼を遂行すべく人気の少ない夜の公園へとやって来ている訳である。

依頼主から事前に預かったブルーシートを敷き終ると、3人はその上に座り込んだ。

「銀ちゃん銀ちゃん、この袋何アルか？」

「長丁場になるからって、依頼人からの差し入れだってよ。
そこん中のは自由に飲み食いしていいそーだ」

「マジでか！！
じゃあ早速開けてみるネ！」

Aが袋をひっくり返し、豪快に中身をぶちまける。

「どれどれ？
お、酒も入ってんじゃねーかラッキー」

「銀さん、飲み過ぎないでくださいよ」

おつまみ等が散らばる中真っ先に酒缶を手にした銀時を見て、新八が呆れたように言う。

「固てーこというなって、お前の一物のように柔らかくいこうぜふにゃ八ィ」

「誰がふにゃ八だァァァ！！！ 不名誉な呼び方止めてもらえます！？！？」

どうせなら花見気分楽しもうぜ、と
銀時は酒、新八はジュース、Aはジュースとお菓子を各々手に持って
依頼 兼 万事屋夜のプチ花見がスタートした。


「花見っていうと昼のイメージでしたけど、夜桜っていうのも良いものですね」
新八は、頭上に咲き誇る桜を見上げている。

「ああ、何より酒が上手ェ」
銀時も桜を肴に、酒を楽しむ。

「ねーねー、私これやりたいアル」

そんな中、Aが何かを持ってきて、中心に置いた。

「人生ゲームじゃねーか、懐かしいモン見たな」

それは一時ブームを起こし、友達の家に行くと大体は置いてあったボードゲームだった。

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