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「ああ……A……Aか……!」

銀時もそれに気づくとよろよろと立ちあがる。

「銀ちゃんもしかして昨日寝てないアルか……?」

その通り銀時は一睡もせず朝を迎えていた。
一晩でこの変わり果てた姿とは、その疲弊度が伺える。

突然、銀時はAの肩をガッと掴んだ。

「A……!
俺ァ例えお前が知らないとこで大人の階段上ってたとしても
トンネル開通させられてたとしても
丸ごと受け止める その覚悟ならつけてきた」

「銀ちゃん……?」

「……それじゃあ、お礼参りと行くか」

「どこ行くつもりアルか……?」

銀時は低く呟くとAから離れ、木刀を腰に差す。

これほどにない殺意を全身から滾らせながら、振り返らずに答えた。

「決まってんだろ。
あのヤロー、沖田んとこだよ
Aに手ェ出しやがったんだ、相応の報いは受けてもらわねェとな」

万事屋を出て行こうとする銀時を、Aが止める。

「どうした?
いっとくが、いくらお前の頼みでも止めらんねェから」

「違うネ、そうじゃなくて……」

「ああ、安心しろ殺しはしねーよ。
一瞬で楽にしてやるなんざ生温ィ」

また違う、と首を振ってAは言う。


「銀ちゃん、さっきから何の話してるアルか?」


「―――へ?」







それから右往左往した話し合いの結果、ある一つの事実が明らかになる。

沖田が言った「美味しく頂いた」とは、2人がホテルで食べたルームサービスの食事を指していたらしい、と。

銀時の盛大な勘違いだった、ということになるが
沖田も誤解を生む、と分かっていた上であのタイミングと言い回しをしていた。


つまるところ 銀時は沖田にまんまとしてやられた、というワケだ。

んだよそれ、と途端に身体から力が抜けて銀時はソファに逆戻りする。

ふざけんなよ、と沖田に対して新たな怒りが湧くやら
年下のガキに翻弄され情けないやら、あれだけの気苦労はなんだったんだと思う一方で


「……あーよかった……」

2人の間に何もなかったことに、何よりの安堵感を感じていた。



そしてその気の緩みによって銀時は、1つ聞き逃したことがあるのに気付かなかった。

それは、昨夜、Aが心ここにあらずとなっていた理由。




銀時は、Aが沖田に告白を受けたことをまだ知らない。

夜の花見も乙なモンだ→←25



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設定タグ:銀魂 , 神威 , 成り代わり   
作品ジャンル:恋愛
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ぽてうさ(プロフ) - ゆるさん» ありがとうございます!!書いててよかったってなる嬉しいお言葉です(*^^*)近い内に続編も公開予定なので少々お待ち下さい! (2020年5月2日 11時) (レス) id: d2b650a918 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - すっごく面白いです!早く続きが読みたいです!更新頑張って下さい!応援してます♪ (2020年5月1日 11時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
ぽてうさ(プロフ) - ついに総悟さん行動にでました(°口°)こちらこそありがとうございますです_|\○_ 作者としては優しい沖田総悟を書くのが難しくて苦労してます笑  (2020年4月7日 23時) (レス) id: d2b650a918 (このIDを非表示/違反報告)
鈴音(プロフ) - 総悟ぉぉぉーーーーーΣ(゚Д゚;≡;゚д゚)すみません荒ぶりました← 何だろう…何か…もう…ほんとありがとうございます(((語彙力 (2020年4月7日 21時) (レス) id: 737011c58c (このIDを非表示/違反報告)
ぽてうさ(プロフ) - 至恩さん» 久しぶりとなってしまった更新で、こんなコメント貰えるなんて本当に嬉しくて続きを書くモチベがぐんぐん湧いてきます!ありがとうございます(●´ω`●) (2020年3月14日 23時) (レス) id: d2b650a918 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽてうさ | 作成日時:2019年2月6日 19時

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