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ぞぞぞ……と鳥肌がたち、Aは大きく頭を振りかぶる。
「あんなの嫌アル無理アル御免アルぅぅ!
私は「ストップ」
そのままの勢いで答えを出そうとするAを、沖田は止めた。
「どんな想像をしたのか知らねェが、俺ァ結論を急いじゃいねーんでィ、てか急ぐな」
マジトーンの沖田に、Aもいくらかクールダウンして
脳裏をまだチラつきかける奇天烈カップルを無理やり消し去る。
「近い内、俺は任務でしばらく江戸を離れる。
その間に決まるようであれば
帰ってきた時 お前の結論を聞く」
空っぽにした頭で、沖田のことだけを考えても今のAには想像ができなくて。
「もし……その間に決まってなかったら?」
「言ったろ、急がねェって。
気ィ長くしてお前が選ぶのを待ってらァ」
真っ直ぐにこちらを見る沖田の真剣さが痛いほど伝わって、
それ以上何も言わず分かった、とだけAは呟いた。
*
イルミネーションもひと通り周り終えて、そろそろ帰るかと沖田が切り出す。
「遅くなると万事屋の旦那がうるせーだろうし」
「そういえばそーごと出かけるって言ったら銀ちゃん何か騒いでたネ。
時間なくてそのまま出てきちゃったから、確かに帰ったら銀ちゃんうるさそうアル。
そんなに一緒に遊びたかったのかな」
「あーうん、きっとそうだよソウソウ」
「その意味深な顔なにアルか」
「いんや別にィ」
遊園地を出て、話しながら帰路につく。
言わずとも沖田はAを送り届けるつもりで、かつ道路側を常に歩いていた。
無言にならないよう話しながらAは歩くけれど、途切れる会話の間に少しの気まずさを感じる。
沖田といる時に、初めて起こる感覚だった。
「アレ? ……なんか冷たいのポツリときたアル」
手のひらに落ちた水滴を拭ったAが、空を見上げる。
「こりゃひと雨くるかねィ」
沖田が言うが早いか、2人の元に大量の雨粒が降り注いだ。
それは、急な雨だった。
しかも、どしゃ降りといっていい程の。
加えて、同時に巻き起こっているのは凄まじい強風。
気象予報士もまるで予想できなかった、突然の台風上陸かと惑う程に。
Aが慌てて手持ちの番傘を開くまでのわずかな間に2人はずぶ濡れになり、
そして傘をさしたところでほとんど防げない激しい雨しぶきに更にどんどん濡れていく。
「これじゃ開いた傘で飛んでいきそうアル」
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ぽてうさ(プロフ) - ゆるさん» ありがとうございます!!書いててよかったってなる嬉しいお言葉です(*^^*)近い内に続編も公開予定なので少々お待ち下さい! (2020年5月2日 11時) (レス) id: d2b650a918 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - すっごく面白いです!早く続きが読みたいです!更新頑張って下さい!応援してます♪ (2020年5月1日 11時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
ぽてうさ(プロフ) - ついに総悟さん行動にでました(°口°)こちらこそありがとうございますです_|\○_ 作者としては優しい沖田総悟を書くのが難しくて苦労してます笑 (2020年4月7日 23時) (レス) id: d2b650a918 (このIDを非表示/違反報告)
鈴音(プロフ) - 総悟ぉぉぉーーーーーΣ(゚Д゚;≡;゚д゚)すみません荒ぶりました← 何だろう…何か…もう…ほんとありがとうございます(((語彙力 (2020年4月7日 21時) (レス) id: 737011c58c (このIDを非表示/違反報告)
ぽてうさ(プロフ) - 至恩さん» 久しぶりとなってしまった更新で、こんなコメント貰えるなんて本当に嬉しくて続きを書くモチベがぐんぐん湧いてきます!ありがとうございます(●´ω`●) (2020年3月14日 23時) (レス) id: d2b650a918 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽてうさ | 作成日時:2019年2月6日 19時