【銀魂】逃げた子兎、支配する兎 6【神威】

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「そんなの全然気づかなかったアル……」
「だろーな」

「その、好き、っていつからアルか？」
「さーいつからだろうなァ」

告白した側である沖田は、Aより余程平然としているように見える。


「……あの、ホントーにこれ、ドッキリとかじゃないヨネ？」

「この期に及んでまだそんなこと言ってんのかィテメーは」

「いひゃいアルぅぅ」

沖田に頬を今度は指先で掴まれて、横にぐいぐいと引き伸ばされながら、Aは言い訳と反論を試みた。

「だって！
こんなことになるなんて夢にも思わなかったアルそれに、

……私告白なんてされたの、生まれて始めてヨ。
なにを言えばいいか、どんな顔をしたらいいか 全然分からなくて
今、いっぱいいっぱいアル」

言い終わって、顔を隠そうとするAの両手を掴むことで阻止し、沖田が覗き込む。


「やっぱり。
かわいー顔してら」

火照りの引かない頬はまだ赤くて、目には涙が滲んで。
沖田は、そんなAの表情を初めて見た。

「……っなななに言ってるネ！？
お前ほんとにあの沖田総悟アルかっ？」

「あの沖田総悟じゃなかったらどの沖田総悟だっつーんでェ」

増々赤くなったAの顔を、隠そうとする度に押さえ込みながらしばらく眺めていた沖田だったが、
話を戻すか、とようやく手を離した。


「さっきのことだが、そう難しいことじゃねェよ、
お前には1つ、選んでもらうことあるだけでィ」

「選んでもらうこと？」

ああ、と沖田は頷く。

「俺と付き合うか 付き合わねェか
その2択をな」

「そーごと付き合う……」Aは復唱のように呟いて、顔を上げた。

「それってつまり、そーごが私の……カレシになるってことアルか？」

「まァ、そーいうことになるな」

コンビニで立ち読みした少女漫画を、この間見たテレビドラマを、街中で見かけるカップルで
Aの知る全情報から 彼氏 について思い浮かべてみる。

あの漫画の男めっちゃ顎尖ってたアルとか、ドラマは低視聴率で打ち切りぶん投げエンドだったとか、
余計な情報ばかり交錯する中に、ある時見かけたカップルの一組が浮上してきた。


『まぁくんひと口食べるぅ？』
『……ペロッ、ああ、こっちも上手いぜご馳走様』
彼女の口の端についたクリームを彼氏が舐めとって、

『ヤダまぁくんったら、もう……しゅきぃぃぃ』

そしてひたすら人前でイチャイチャぶちゅちゅしていた、
阿佐ヶ谷姉妹(姉)とアイ○シュタイン稲田に似たあのカップル。

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