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「お久しぶりです。
新八くん、銀時さん」
さ
目の前にAと並んで座る婚約者殿は、
急な呼びつけで勤務日の昼休みに抜け出してくることになったというのに嫌な顔一つせず、
人好きのする笑みを浮かべている。
それを受けて新八が思わず隣の銀時を見れば、驚いた顔をしていて。
けれど自分は、それ以上の顔をしているんだろうと思う。
「え、えーっとAちゃん、もう一回この人の名前教えてもらってもいい?」
「分かったネ。
改めて、私の婚約者の 沖田総悟アル」
「……ウソォォォォ!?」
新八は、本日何度目かもわからない叫び声を上げた。
「はは、昔の僕を知っている方からすれば驚きますよね」
「いや、はい……。
だって沖田さんといえば、サドSで傍若無人な取り柄といえば顔だけの……スミマセン」
中々の言い様である新八に対して、気を悪くしたようでもなくそれどころか
「あの頃は大変ご迷惑を……お恥ずかしい限りです」
なんて、昔からは考えられない姿だ。
沖田は外見こそ2年という月日に相応した成長を見せつつも、当時の面影を確かに残していたが
中身はまるきり別人 どこの朝ドラに出そうな好青年だという風になっていた。
見た目と中身が一致した沖田さんとかけなすとこなくなっちゃうじゃん……爽やかBOYじゃんジュノンBOYだよ……(?)と新八が呆然とする中、銀時が身を乗り出す。
「随分いい男になったじゃねェか、婚約者殿。
なんかウラがあるんじゃねーのって疑っちまうくらいには、な?」
「やだなぁ、家庭に入るわけですから
見合った言動を心がけないとな、とそう思っているだけですよ。
そういう銀時さんも、見違えるようですね。何か心境の変化てまもあったんですか?」
銀時からの敵意を感じ取ったのか、沖田の目に警戒の色が浮かび、けれど瞬き一つでかき消すと
次の瞬間には温和な笑みで応対した。
さぁな、と銀時の方は皮肉げに口角を引き上げ続ける。
「ただなァ、お前さんらの仕事を否定するワケじゃねーけどよ、日々血みどろの危険と隣り合わせな訳だろ?
それで、ウチの大事なAを任せるのもねェ……」
この2年、復縁を夢見てやってきた銀時にとしては
つつけるところはつついて、この結婚を取りやめさせたいようだ。
「銀ちゃん、それはね―――」
Aが言いかけたのを席を立つことで止めて、
「いいよ、A。
見てもらった方が早い。丁度昼休憩も終わるしね。
ちょっとお二人とも、ついてきてもらえますか?」
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ぽてうさ(プロフ) - ゆるさん» ありがとうございます!!書いててよかったってなる嬉しいお言葉です(*^^*)近い内に続編も公開予定なので少々お待ち下さい! (2020年5月2日 11時) (レス) id: d2b650a918 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - すっごく面白いです!早く続きが読みたいです!更新頑張って下さい!応援してます♪ (2020年5月1日 11時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
ぽてうさ(プロフ) - ついに総悟さん行動にでました(°口°)こちらこそありがとうございますです_|\○_ 作者としては優しい沖田総悟を書くのが難しくて苦労してます笑 (2020年4月7日 23時) (レス) id: d2b650a918 (このIDを非表示/違反報告)
鈴音(プロフ) - 総悟ぉぉぉーーーーーΣ(゚Д゚;≡;゚д゚)すみません荒ぶりました← 何だろう…何か…もう…ほんとありがとうございます(((語彙力 (2020年4月7日 21時) (レス) id: 737011c58c (このIDを非表示/違反報告)
ぽてうさ(プロフ) - 至恩さん» 久しぶりとなってしまった更新で、こんなコメント貰えるなんて本当に嬉しくて続きを書くモチベがぐんぐん湧いてきます!ありがとうございます(●´ω`●) (2020年3月14日 23時) (レス) id: d2b650a918 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽてうさ | 作成日時:2019年2月6日 19時