【銀魂】逃げた子兎、支配する兎 6【神威】

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そうだ、今のAは純白の花嫁。

バージンロードを共に歩いたあの時だって、本当は引き渡したくなんかなかった。

そして今、新郎だった沖田はいない。
神威も、土方も、高杉も。


つまり今のA、俺だけの花嫁。

そう思い至った時、銀時の中で何かが弾けた。

もう、いいんじゃないかな、イボでも。

だって、そうしたらこれが、俺のモンになる。
カワイイハセイギ。

ガシッとAの両手を掴む。



「A、俺が間違ってた
お前を消したりなんかしない。
観客はいなくなっちまったけど、今からここで俺達の結婚式を挙げよ―――――「ナンデ・ヤ・ネーンッッッ！！！
テメーラゼンイン クダバリヤガ・レェェェ！！！！」

そこに突如、何者かの強烈なハリセンが銀時、A共に炸裂した。


何者かの正体とは―――「まさかの牧師……ゴホッ」

そう、最後にハリセンぶちかましたのは聖壇で祝詞とか読み上げてたあの牧師。

イボとは無関係で、至って真面目に役目をやり遂げようとしていたのに
突然乱入者が現れたかと思えば、呆然とする牧師をよそに後はもうしっちゃかめっちゃか。

そしてこの後に及んで茶番が行われようとしているのに、温厚な牧師もついに堪忍袋の緒が切れたというワケだ。

据わった目をして、肩をいからせながら牧師が教会を出ていって
後には床に倒れ伏す生ける屍達が残された。


つまり今回、

イボによってイボが退治されて、
そのイボを退治したのもイボだったという訳で
今までの話はイボによるイボのためでイボだけの大騒動にすぎなかったということである。


完

このイボは、向上心のある人にしか感染しない＝みんな大なり小なり向上力を持っていたってことで、

「いやただのとんだ茶番だよ！！！」

そんなツッコミをしそうな新八も、今は床にファーストキッスを捧げているので。

めでたし、めでたしと致しましょう。

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