心癒される海の唄 (ページ15)

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14 将来の夢？？…ニート、かなページ15

「ただいまー」

薔薇の王国にある一軒家、そこで私は二歳の頃から住んでいる

「お！お帰り～！」

「待ってたぞ！」

「ふなぁ～！お土産お土産～！なんだゾ！」

玄関を開けた瞬間賑やかな声、ちょっと鬱陶しいような、でもなんだかホッとする

「お土産は海産物、職場の人が持たせてくれたの」

「お、じゃあ今夜はこの材料で夕食作るか！」

クーラーボックスを手渡し中身を確認するデュース、中には大きな蟹や海老の他にも蛸や貝類と新鮮な食材が並んでいた。

「三人とも仕事は？」

少ない荷物を床に置きソファに座る、グリムは隣に座り、エースとデュースは台所に立っていた

「俺は休み」

「僕も有給を使った。」

「俺様も授業を休講にしてきたんだゾ！」

三人とも明日のために仕事を休みにしたらしい、そんな気を使わなくたっていいのに…

「休みとるの大変だったでしょ？」

「可愛い可愛い娘の２０歳の誕生日だぜ？」

「家族で祝わなくてどうする」

「そうなんだゾ！Aが大人になる日を皆んな楽しみにしてたんだゾ？」

「大袈裟だなぁ…」

とかいいながら、割と満更でもなかったりする、私にはもう父も母も居ないから…

暖炉にある写真をソファから眺める、もう母の顔も写真を見ないと思い出せなくなってきた。匂いも感触も薄れてきて…

「部屋はそのままにしてある、荷物置いてこいよ」

「うん」

必要最低限のものしか置いてない自室、部屋は綺麗に掃除されていてとても落ち着く空間だった。

「あいつと一緒に酒飲めるとか最高じゃん」

エースはこの日のために買っておいたワインを取り出した。

「…20年も前なのか、あいつが産まれたのは」

デュースも20年前のことを思い出して目に涙を貯める、「早過ぎだゾ」とグリムに言われて急いで涙を拭った。

「よし、今日は蟹のスープにエビフライ、蛸はカルパッチョにして貝類はバター焼き！」

「少し残して明日のつまみにもしよう！」

「俺様も手伝うんだゾ～！」

三人はワイワイと料理を始める、途中で降りてきたAも加わり、久し振りに四人で楽しく過ごした。