【オリジナル】館に集う者達 (ページ19)

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不老不死by嘉嫩ページ19

【悠夏side】

トイレの方からけたたましい音がした。

何だ…？

俺はダッシュで音のした方へ向かった。

そこに居たのは、大きな化け物。

化け物は俺に気付いたらしく、鋭い爪を俺の胸に突き刺した。

少し吐血してから、俺は倒れた『フリ』をする。

化け物が向こうを向いた隙に爪を引き抜いて立ち上がり、思いっきり殴り飛ばした。

まあ、見た目通り喧嘩は得意なんだよな～。

魔物は倒れ込み、気を失ったようだ。

その隙に、俺はさっき突き刺さって居た爪を魔物にぶっ刺す。

魔物は完全に死んだようだ。

さっきまでここで闘って居た豹李は、館の外に出たようだ。

んじゃ俺はこいつらがこれ以上館に入らないよう、足止めするか…

暫く闘っていると、後ろから雪菜とルカが走って来た。

「悠夏、手伝うね！」

そう言う雪菜に、俺は言った。

「お前はリンジュと豹李の所行け！お前の能力なら、圧倒的に外の方が有利だ！後ルカ…雪菜の事守れよ！絶対だからな！雪菜は俺の親友なんだから！」

そう言うと、雪菜は頷き、ルカは「当然！」と言った。

「あっ」

俺は呟いて、常備している小瓶を取り出した。

そして、さっき倒した魔物の爪で自分の腕に傷を付け、瓶に血を入れた。

雪菜とルカは驚いたが、雪菜の方はすぐに察したようだ。

「はい、これ持ってけ！傷付いた奴に俺の《不老不死》の血飲ませたら、傷は一瞬で治るから！」

「「うん」」

二人は小瓶を受け取った。

そうして、二人同時に走り出す。

まあ、俺は幾ら攻撃食らっても死なないし…

ここで頑張るか！

【雪菜side】

悠夏から貰った小瓶を持って、私達は走り出した。

外に出ると、そこにはリンジュと豹李が居た。

「リンジュ！豹李！」

私が呼ぶと、二人が振り返った。

「雪菜！ルカ！」
「雪菜姉さん！ルカ！」

すると、私の視界に、二人の後ろから襲いかかる三つの影が見えた。

「危ないっ！！」

私は地面から大きくて先の尖った岩を出し、魔物に刺した。

魔物は生き絶えたようだ。

「ふいーっ、危なかった…ありがと！」

リンジュが言った。

「でも…周り見てみて…？」

全員が息を呑んだ。

完全に…

「囲まれちゃったよ…？」