愛と家族と想い出と(完) ページ17
本当は、心のどこかでみんなを信じきれずにいた。
いくら僕が初代の息子だからって、そんなの簡単に受け入れられるわけが無いし、まだみんなは僕を見定めてる途中なんだって思っていた。
でも、違うのか。
刃物を使えば、嫉妬されるように。
時間ギリギリまで、見送りを待ってくれるように。
彼らの無事を祈れば、喜んでくれるように。
僕がみんなを愛しているように、みんなも僕を愛してくれている。僕を、家族と認めてくれている。
それが堪らなく嬉しくて、僕もつられて泣きそうになってしまったけど、何とか我慢して笑顔を浮かべた。
「そのくらい、当たり前でしょ。
だって…僕たち、家族なんだから！」
──……それから、いつの間にか随分出発時間を過ぎていることに気がついて、慌てて作ったお弁当を全振りに渡し、無事見送ることが出来た。
竹皮に包んだおにぎりと、スープジャーに入れた味噌汁という、シンプルながらも何だか時代背景の乱れを感じるラインナップだけど、みんな喜んでくれて、こっちまで嬉しくなる。
あんなに泣いていた三日月も、目元を腫らしながら頼もしく部隊を率いて行った。
「まさか、俺たちに隠れて料理の練習をしていたとはね」
朝食をとるべく食堂へ向かう途中、呆れたような長義に笑いかける。
「へへっ。みんなをビックリさせたくてね！大成功だったでしょ」
あんなに泣かれるとは思ってなかったけど…と首筋をさすると、長義は横を歩く僕の顔を覗き込んだ。
「一応確認するけど…ここに就任して二ヶ月少し、ずっと君を支え続けた近侍の分はないのかな？」
意地悪をするような顔でそう言った長義に、え"ッと言葉を詰まらせる。
「い、いやぁ〜…歌仙たちの美味しいご飯があるからさぁ…僕のおにぎりなんて足元にも及ばないしぃ…」
「おや？優秀な部下に褒美をやるのは、上に立つものの務めでは？」
「いつの間に僕の部下になったの？長義…ていうか君は与える側でしょ」
「たまには与えられたい時もあるんだよ」
たまには与えられたいらしい長義に負け、僕は余っていた材料でおにぎりを作ってあげた。
本当は、余った分は自分のおやつにしようと思っていたけど…今度遠征用のお弁当作る時は、近侍の分も作らないとだめだな…
そしてその夜、長期遠征任務から帰還した面々が洗い場に出したお弁当には、米粒ひとつ残っていないのであった。
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千珠 - 寒蘭さん» お返事ありがとうございます！私のお願いを聞き入れていただき、ありがとうございます！！無理を承知の上でのお願いだったのに了承してもらえてとても嬉しいです！！投稿の方は寒蘭様のペースで大丈夫ですので！これからも応援しています！お体に気も気をつけください！ (3月11日 13時) (
レス) @page46 id: 0eaf370a5f (このIDを非表示/違反報告)
寒蘭(プロフ) - 千珠さん» かしこまりました！本編未登場の子に関してはIFストーリーとして書かせて頂きます(*´∀`*)全員を書けるかわからないですが、ストーリーが思いつき次第投稿しますね！ (3月8日 17時) (レス) id: 69f96811e5 (このIDを非表示/違反報告)
千珠 - 寒蘭さん» 本編にいないキャラ達なのでFIストーリーで大丈夫です！！もし、検討していただけるなら幸いです(今あげたキャラは私の推し達です。まだ推しはいますが) こんなに沢山リクエストするのはどうかと思いますが、どうかよろしくお願いいたします…！スライディング土下座 (3月8日 12時) (レス) id: 0eaf370a5f (このIDを非表示/違反報告)
千珠 - 寒蘭さん» と、コメントのついでみたいになるのですが、数珠丸恒次、小烏丸、抜丸、肥前忠広、今古伝授の太刀、泛塵、笹貫と孫六兼元と京極正宗ちゃんのリクエストもお願いできたら嬉しいのですが……。本編にいないキャラだとは思うのですが、夢主ちゃんと絡ませて欲しいくて… (3月8日 12時) (レス) id: 0eaf370a5f (このIDを非表示/違反報告)
千珠 - 寒蘭さん» お返事ありがとうございます！はい！それでもか構わないです！無理なリクエストをお願いしているのに、書いていただけけるだけでとても嬉しいです！本編で未登録のキャラをまたリクエストととしてお願いするかもしれませんが、その時はIFストーリーでOKです！！ (3月8日 12時) (レス) @page43 id: 0eaf370a5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寒蘭 | 作成日時：2023年12月17日 23時
