第4話 ページ6
「ッ！」
瞬間、八時と四時の方向に潜んでいた複数の気配が飛び出したのを察知し、素早く身を翻して回避する。
しかし、想像より機動が早く、左腕を少し切られてしまった。
鮮やかな赤が流れ出す左腕を押さえて、態勢を整えつつ辺りに視線を走らせると、三日月を背に三振りの短刀が構えている。
「──へぇ、やるなぁアンタ。俺たちから同時に攻撃を受けて、その程度で済むとは」
「次は、外しません」
「痛かったら、言ってください…手加減、しますから」
順に薬研藤四郎、前田藤四郎、そして五虎退。
全員極めている上に、あの機動力では恐らく能力値も上限まで引き上げられているだろう。
さすがに練度までは計れないけど…短刀だと甘く見ていると痛い目に遭う。
というか、本当に話聞く気ないなこの神様たち。
僕の見た目は、自分で言うのも何だがかなり弱そうに見えるはず。
手足はやせ細ってガリガリだし、頬もこけて不健康そうだし、背も小さいし、手入れをしていない髪はキューティクル開きまくりでごわごわだ。
まるで戦時中の孤児みたいだ、なんて言ってきたのは誰だったかな…
そんな多くの人間の同情を引きそうな見た目をしている僕を前にして、一切の容赦がないこの感じ。
やっぱり、神様にこういうのは効かないか。
なんて考えていたら、今度は上と後ろから刀が伸びてくる。
あぁもう面倒臭いな、と舌打ちしたい気持ちになりながらも、今本当に舌打ちをしたら確実に噛むので我慢したまま横に転がって逃げ延びた。
「お覚悟！」
けれど今度はそれで終わらず、二振りは連撃を繰り出してくる。
片方は一期一振だな、切っ先を避けるのに夢中で姿は視認できないけど。
素早く跳び上がって回避し、しかし逃げてるだけではキリがないので一期一振の手首を蹴り上げる。
ばしんと反動した一期一振の手から刀が飛び出し、彼が気を取られているうちにしゃがみ込んでもう片方の男士のスネに回し蹴りをお見舞いした。
「くっ…！」
さすが弁慶の泣き所。いくら刀剣男士でも耐えられないか。
まぁ、防具が硬くて僕にもダメージ来たけど…
片膝をついてスネを押さえながらこちらを睨み上げたもう一振りの男士は、山姥切国広だった。
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774(プロフ) - キリンミカンさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(*´ ˘ `*)これからも頑張ります〜！ (11月3日 14時) (
レス) @page22 id: 69f96811e5 (このIDを非表示/違反報告)
キリンミカン - こういう作品を探していました…！好きすぎて毎日見に来ています。体調に気をつけながらも更新がんばってください！ (11月3日 12時) (レス) @page20 id: e14e8e6fbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寒蘭 | 作成日時：2023年10月27日 17時
