第45話 ページ47
「遡行軍が、開発した…？」
ぽそりと漏れ出た三日月の声に、呪いに釘付けになっていた瞳が解放される。
あれ…？今僕、何を言った？
なにかまずいことを言った気がする…
恐る恐る肩越しに背後を振り向くと、部屋の隅で静かにしていた三日月も、太鼓鐘を見守っていた燭台切も、仁王立ちしてこちらを窺っていた鶴丸と大倶利伽羅も…
皆、有り得ないものを見るような目でこちらを凝視していた。
ただ一振、山姥切長義を除いて。
「あぁ、なるほど。だからか…
まったく、奴らも日に日に悪あがきの手数が増えていくな」
僕の言葉に何かを得心したのか、そうやって一人で頷いてやれやれとため息をついている。
しかし、ほかの者たちはそうはいかない。
「はて、代理殿よ。
政府所属の山姥切長義すら知りえなかった遡行軍の情報を、なぜお前が知っている？」
…三日月の冷たい声を聞くの、これで何度目だろう。
完全に口を滑らせた。
この呪いのことを知らないのは仕方ないことだから、長義が気に病む必要は無いって言いたかっただけなのに、完全に墓穴を掘った。
その長義自身も、三日月の言葉でまずい流れを悟ったようで、「あー…」という声が聞こえてきそうな焦りの表情をしている。
…いつかは言わねばと思っていた。
この事実を隠したまま彼らのそばにいようなんて、あまりにも虫が良すぎる。
どこかのタイミングで、とは思っていたけれど…
こんなに早く来るなんてな。
でもこういうのは早めに言っといた方がいいしな、逆に一日目の今日にタイミングが訪れたのは良かったかもしれない。
そう自分に言い聞かせて彼らを振り返り、決意を固める。
もしかしたら、これを言ったらもう終わりかもしれない。
すぐに斬られてしまうかもしれない。
でも、これ以上先延ばしにはできない。
「なぜって…それは、僕が──」
その時だった。
「──っぐ、うぅッ…！」
それまで静かに眠っていた太鼓鐘の唸り声とともに、ピシリと刀に亀裂が走った。
「!?貞ちゃん！」
「クソっ、もう霊力を食い尽くしたのか！
燭台切！太鼓鐘の呪いを解呪するから手伝って！」
ついに太鼓鐘の生命力を蝕み始めた呪いは、その傷をどんどん深くしていく。
早くしなければ間に合わない、と燭台切を呼ぶと、彼は動揺しながらも素早くこちらに来てくれた。
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774(プロフ) - キリンミカンさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(*´ ˘ `*)これからも頑張ります〜！ (11月3日 14時) (
レス) @page22 id: 69f96811e5 (このIDを非表示/違反報告)
キリンミカン - こういう作品を探していました…！好きすぎて毎日見に来ています。体調に気をつけながらも更新がんばってください！ (11月3日 12時) (レス) @page20 id: e14e8e6fbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寒蘭 | 作成日時：2023年10月27日 17時
