第35話 ページ37
「こんのすけから聞いたよ、和泉守くんたちを手入れしたって。
彼、手入れ部屋にいた中では唯一意識を保っていたからね。堀川くんも歌仙くんもあんなことになって、酷く
その隙をついて、和泉守くんの心を支配したんだろう？
悪質な呪術を使ってね！」
「あ、あのこんのすけさん？
あなた一体何をどんな伝え方したんです!?」
まるでサスペンスドラマで犯人を追い詰める探偵のように、ビシッとこちらに人差し指を突きつける燭台切。
彼の言葉で原因が判明したので、足元で素知らぬ顔をしていたこんのすけに問いかける。
動揺しすぎて思わず敬語になってしまったが、今はそれを気にしていられない。
「実はわたくし、不躾ながら、ずっと代理様の様子を遠くから観察しておりました。
すると異変はすぐに起こりました。
和泉守兼定が、すんなりと手入れを受けたのです」
異変…異変ね。
あれはただ単に、元主のこととか出して焚きつけただけだけどね。
ていうか、観察していた割に話の内容までは聞こえていなかったみたいだな？
これは、非常に…非常に嫌な予感がする…
「その後、一体どうして和泉守兼定は手入れを受けたのか、怪しく思ったわたくしはもう少しだけ近づき、会話の内容を把握しようと試みました」
堂々と盗み聞き宣言してんじゃないよ…
ていうかこれ、本当にまずい。
絶対に良くない流れが来ている。
背筋を冷たいものがだらだらと流れていくのを感じる。
けれど、ここで止めれば余計にこじれるに違いないため、黙って静観することしかできない。
そもそも、今こんのすけが話している内容は、恐らく事前に燭台切たちにも伝えられていることのはずだ。
今更止めたところで、もう遅い。
「やがて、ほかの男士様方を次々と手入れなさったあと、わたくしは聞いてしまったのです。
『呪術を用いた』
『時の政府に復讐する』
…という言葉を」
うぉおい！それどっちも言ったの僕じゃないよ！
これまで長年連れ添ってきた男士の声の判別もつかないのかこの狐は!?
そもそも、本当に僕が呪術を使っていたり政府への復讐を目論んでいたりなんかしたら、それを聞いていた三日月と長義が何も言わずにただついてきてるだけなの明らかにおかしいだろ！
あれか？呪術で操られてるからだと思ってるのか？
馬鹿野郎ッ！
呪術をかけられたやつが「ちょぎたん」なんて冗談を言うわけないだろ！
もしくは、この二振りも裏切り者だと思ってる…？
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774(プロフ) - キリンミカンさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(*´ ˘ `*)これからも頑張ります〜！ (11月3日 14時) (
レス) @page22 id: 69f96811e5 (このIDを非表示/違反報告)
キリンミカン - こういう作品を探していました…！好きすぎて毎日見に来ています。体調に気をつけながらも更新がんばってください！ (11月3日 12時) (レス) @page20 id: e14e8e6fbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寒蘭 | 作成日時：2023年10月27日 17時
