第33話 ページ35
「さて…まずはここかな」
手前の部屋から順に巡っていくことにした僕たちは、最初の部屋の前に立った。
入口上部の
伊達…ということは、燭台切光忠、鶴丸国永、太鼓鐘貞宗、大倶利伽羅の四振り部屋だろうか。
この本丸は元主ごとに部屋割りをしているみたいだと推測していると、ふと斜め後ろに立っていた三日月が身をかがめ、こそりと耳打ちをしてくる。
「伊達の連中は、恐らく最も難度が高いぞ。
何せ、夜伽に呼ばれる回数が格段に多かったからな」
「なるほどね…え、それって太鼓鐘も？」
「……」
「嘘でしょ…気持ち悪…」
否定してほしかったのに、三日月は曖昧に笑うだけで何も言わない。
それでは答えを言っているのと同じだ。
確かに彼ら刀剣男士は、容姿年齢に関わらず僕ら人間よりずっと年上だけど、幼い姿をした短刀にまで夜伽を強制させるなんて、一体どんな思考回路をしているんだ…
「はぁ…やっぱり、こっち側の連中も
「あいつら、とな？」
「ん"んっ、どうもー手入れ屋さんでーす。
手入れしに決ました、入ってもいいですかー？」
思わずぽろりと漏れ出た言葉をしっかり拾われてしまったので、慌てて部屋の中に呼びかける。
三日月からじっとりとした視線を感じるけど、無視だ無視。
けれど、僕が三日月を無視したのと同様に、部屋の奥に潜む気配からも無視されてしまった。
確かに四つほど気配があるので、不在というわけではないだろう。
難易度超難とはいえ、まだまだ手入れが必要な男士は多い。ここで足踏みするわけにはいかない。
「手が空いてないみたいなんで、勝手に入りますねー。
失礼しま…っ、と」
居留守を決め込むつもりならば、鍵もないし勝手に突入しようと障子を開ける。
すると、一歩踏み出そうとしたその足を寸でのところで留めた時、すぐ目の前に剣先が突き付けられていた。
思い留まらずに踏み出していたら、きっと右目もお釈迦になっていたな。
ていうか、このパターン何回目だよ…とげんなり肩を落としながら視線を部屋に走らせると、まぁ状況は至って予想通りだった。
ギリギリのところで刀を突きつけているのは大倶利伽羅。
そのすぐ後ろでも構えているのは、燭台切光忠。
鶴丸国永は部屋の奥で身をかがめ、何かを守るように逆手を体の横に突き出している。
だが、一つだけ、予想外の光景がそこにあった。
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774(プロフ) - キリンミカンさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(*´ ˘ `*)これからも頑張ります〜！ (11月3日 14時) (
レス) @page22 id: 69f96811e5 (このIDを非表示/違反報告)
キリンミカン - こういう作品を探していました…！好きすぎて毎日見に来ています。体調に気をつけながらも更新がんばってください！ (11月3日 12時) (レス) @page20 id: e14e8e6fbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寒蘭 | 作成日時：2023年10月27日 17時
