第21話 ページ23
「君は、人間のくせに自分の扱いが雑だな」
手際よく左手に布を巻いていく長義にお礼を言いつつ、どこかで見た布だなと記憶を辿る。
この銀色の、シルクみたいな高級感のある布…あ、裏地は青い。
確実に、どこかで見た覚えがある。けれど、どこで見たのかいまいち思い出せない。
そしてふと、なぜか長義がいつもより身軽なことに気づいた。
身軽というより…何かが足りない…？
そのことを理解した途端、僕はこの布の正体を突き止めてしまった。
「って、これ長義のマントじゃん！
いや、いいよそんな高級そうなやつ使わなくても！」
「うるさいな、偽物くんのボロ布よりマシだろ」
「そうじゃなくてさぁ」
いやむしろ、シルクっぽい長義のマントより、綿製っぽい国広の布の方が傷の手当には適しているのでは…？と異論が口をつきそうになったが、そんなことを言えば鬼の形相になるのは確実なので飲み込んだ。
ちらりと長義の背後を覗き見れば、無残に破られたマントが床に放られている。
正門のところで短刀に斬られた時は何も言わなかったのに、なぜ今はそこまで慌てるのだろう…
やっぱり刀剣男士の考えはよくわからん。
あれかな、血が付いた手で刀剣を触ったら錆びるとか？
まぁ、僕に同情するような相手じゃないし、そう思っておくか。
「ありがとう。よし、それじゃ気を取り直して…」
シルク製っぽいし、あまり止血には向いてないんじゃないかなと思いつつ、刀剣に血液が付着するのを防ぐ目的なら問題ないか、と割り切って改めて堀川に向き直る。
そのそばには、彼の本体である刀が安置されていた。
「遅くなってごめんね。今、治してあげるから」
目を固く瞑り、浅い呼吸を繰り返す堀川にそう声をかけて、彼の本体をそっと持ち上げる。
持ち上げたら、刀に向かって一礼する。
刀身はすでに鞘から出ていた──というより、損傷がひどくて納刀もできてないみたいだけど──ので、次は刀身を柄から外す。
…のだけど。
「…これ、大丈夫？柄から外す時の衝撃で折れたりしない？」
「問題ない。刀剣男士は総じて霊力が強いから、そのくらいの衝撃で折れることはないよ」
「ならよかった」
不安になって隣の長義を見上げれば、しっかりと頷いてくれたので安心して続ける。
目釘を抜いて右手で柄を持ち、その手首を左手で叩いて
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774(プロフ) - キリンミカンさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(*´ ˘ `*)これからも頑張ります〜！ (11月3日 14時) (
レス) @page22 id: 69f96811e5 (このIDを非表示/違反報告)
キリンミカン - こういう作品を探していました…！好きすぎて毎日見に来ています。体調に気をつけながらも更新がんばってください！ (11月3日 12時) (レス) @page20 id: e14e8e6fbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寒蘭 | 作成日時：2023年10月27日 17時
