第12話 ページ14
僕からの新たな提案に、今度は三日月を含む全員がざわりと動揺をあらわにした。
なぜか長義まで驚いている。なんで？君、僕が失敗したら斬る気満々だったじゃん。
いや、もしかしたら…あれのせいかな…
意外な周りの反応に逆に驚いていると、一期一振があり得ないとでも言いたげに唖然としたまま声を震わせた。
「き、貴殿は…私たち刀剣男士に真名を教えることが何を意味するのか、わかっておられるのですか？」
「わかっているから提案してるんですよ。
三日月の首を落とすより楽でしょう？物理的にも、気持ち的にも」
本来、審神者というのは真名とは別に「審神者名」を登録され、会議や演練場などではその名で呼び合うのが常識だ。
そもそもなぜ真名を隠す必要があるのかと言えば、付喪神である彼ら刀剣男士に真名を知られてしまうと、その命を握られたも同然になってしまうからである。
生まれ落ちた時に、両親につけられた名前。それが真名。
真名は人間の魂そのものを表しており、これらは密接な関係にある。
真名を知られてしまえば、神の力を持つ刀剣男士の手によってその魂を支配されてしまうのだ。
審神者の生死を左右させるなんてお手の物、赤子の手をひねるが如し。
それに対して、体格のいい男の…それも刀の付喪神の首を落とすなんて、とんでもない技術が必要になるし、そもそも仲間にそんなことをする時点で精神的負荷が大きいだろう。
しかし、真名がわかっている審神者が相手なら、「自決しろ」と命じるだけで簡単に終わる。
それほどまでに、付喪神の持つ言霊の力は強力で、同時に真名と魂の繋がりも強い。
だからこそ、審神者は滅多なことでは真名を明かさない。
審神者の真名というのは時の政府の機密事項でもあり、刀剣男士だけでなく、外部にもその一切を漏らしてはならないトップシークレットなのだ。
逆に言えば、ここで僕が彼らに真名を教えれば、それは彼らにとって「この人間は絶対に自分たちを害することができない」という強力な切り札になる。
これが、今の僕にできる、唯一の信頼の示し方だ。
「まぁ、さすがに全員に公開すると即死しそうなので…
僕の真名を教えるのは、
初期刀の山姥切国広、
初鍛刀の五虎退、
そして初太刀であり第一部隊隊長の三日月宗近、
以上三振りだけにさせてください」
にへらと笑って見せると、険しい表情のまま眼光を鋭くさせた国広が、僕のすぐ目の前に立ち塞がった。
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774(プロフ) - キリンミカンさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(*´ ˘ `*)これからも頑張ります〜！ (11月3日 14時) (
レス) @page22 id: 69f96811e5 (このIDを非表示/違反報告)
キリンミカン - こういう作品を探していました…！好きすぎて毎日見に来ています。体調に気をつけながらも更新がんばってください！ (11月3日 12時) (レス) @page20 id: e14e8e6fbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寒蘭 | 作成日時：2023年10月27日 17時
