第11話 ページ13
「なっ…なぜそうなる!?」
突然の爆弾発言に、国広が吃驚と怒りに声を荒げる。
だが、これには僕も同じ感情だった。
「そうですよ！何考えてんですか、アンタ！
この本丸の古株が…ッ
「ほう…？俺が初太刀であると、よくわかったな？」
するりと流れる視線で捕らえられ、ぎくりと肩が揺れる。
穏やかになったりひやりとさせたり、本当に読めないな、この神様は。
「まぁ…資料に載ってましたからね。この本丸の全部」
「そうかそうか。ははは」
「はははじゃない！三日月、なぜこの人間にそこまで肩入れするんだ？
今まではそんなこと、一度もなかっただろう!?」
再び穏やかな笑みを浮かべる三日月に対し、国広は変わらぬ勢いで噛みつく。
僕はもうすっかり三日月の様子に毒気を抜かれた、というか、このコロコロと様相が変わる御仁を相手にまともに立ち向かうのは無理だと判断したので、大人しく黙って様子を見守る。
強く反発されてもまったく気を悪くした様子のない三日月は、変わらない凪いだ表情で国広に向き直った。
「そうだな。今までここにやって来た人間は、何人たりともここから先へは踏み入らせなかった。
しかし…この者だけは、どうにも、そうする気が起きないのだ」
「だから、なぜ…ッ！」
「…わからぬ。己がこの者に何を見、何を感じたのか…俺は俺を、正しく理解できない。
しかし…そうだな。あえて言うならば──
──主が。そうしろと言っている気がするのだ」
「！」
何かを懐かしむような、慈愛に満ちた笑みを浮かべる三日月に、国広たちは言葉を失った。
…正直、僕もなぜ三日月がここまで味方してくれるのかわからない。
"怪しい人間を迎え入れたとしても本丸を存続したい"というならばまだわかる。
けれど、この神様は…どうにも、僕自身を信じようとしてくれているらしかった。
"主がそう言っている気がする"のは、彼がそう思おうとしているのか、本当にそう感じているのかはわからないけど。
ならば…僕も、その信頼に報いねばならない。
「…わかりました。ではこうしましょう。
あなた方に、僕の"真名"をお教えします。
なのでもしも僕がみなさんを裏切ったら、その時は、僕のことを煮るなり焼くなり好きにして頂いて構いません。
責任は、僕一人で負います。この本丸の大事な一員である三日月に、そんなリスクは背負わせられません」
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774(プロフ) - キリンミカンさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(*´ ˘ `*)これからも頑張ります〜！ (11月3日 14時) (
レス) @page22 id: 69f96811e5 (このIDを非表示/違反報告)
キリンミカン - こういう作品を探していました…！好きすぎて毎日見に来ています。体調に気をつけながらも更新がんばってください！ (11月3日 12時) (レス) @page20 id: e14e8e6fbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寒蘭 | 作成日時：2023年10月27日 17時
