第9話 ページ11
「ボロ布が取れても、ウジウジするのは変わらないんだね。
まぁ、偽物くんにはそうしてるのがお似合いかな。
あぁそれと…三日月宗近。本科山姥切とはこの俺だ。くれぐれも、間違えのないよう」
「…写しは偽物じゃない」
「はっはっは、いやすまんなぁ。うちには山姥切長義がいなかったものでな。
だから、"うちの山姥切"は国広で定着してしまっているのだ」
バチッと、見えない火花が散った気がする。
三日月が国広のことを「山姥切」と呼んだことで、大方察しはついていたけど…
せっかく上手くまとまりそうなんだから、あまり刺激しないでもらいたい。
これ以上あの三振りを放っておくと余計に悪化しそうなので、何とか間に割って入る。
まったく、小柄な僕にこんな役割をさせないでほしいね。
「はいはいはい、そこまでー。喧嘩するなら話に結論が出てからにしてくださーい」
「…うむ、それもそうだな」
「…クソッ…」
「……」
穏やかに大人の対応をしてくれる三日月と、前髪をくしゃりと乱して悪態をつく長義、僕の乱入に眉を顰める国広と、見事に三者三様の反応をしてくれる。
彼らの確執は正直よく知らないし、コロし合いとかじゃなくただの喧嘩程度なら別にどうでもいいけど、それは無事に話がまとまってからだ。
改めて、男士たちに向き直って胸を張る。
「最後にもう一度確認します。
ここで僕らを拒絶すれば、その時点で本丸の解体が決まる。
ただし、僕らを受け入れさえすれば、この本丸は存続できますし、僕は全力でみなさんの傷を治します。
さらに、あなた方の要望もできる限り受けましょう。
出陣や遠征、演練に行きたいなら各部隊長や初期刀、近侍と話し合って部隊を編成し、軽傷でも帰城させます。
内番もそれぞれの能力値を鑑みて交代制にし、嗜好品などの手配も任せてください。
そして…あなた方が待ち望む、初代審神者が帰還した際には、僕は審神者の座を返上し、大人しく政府に戻ります。
さぁ…どうします？」
…少しいじわるな聞き方をしてしまった。
けれど、それでいい。
このくらい強かな態度を見せなければ、すぐに矮小な存在と処理されて簡単にあしらわれる。
先ほどの三日月の反応を見るに、彼は肯定的だった。
しかし、それ以外の男士の反応は好ましいものではない。
どうにか三日月が引っ張ってくれたらいいけど…
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774(プロフ) - キリンミカンさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(*´ ˘ `*)これからも頑張ります〜！ (11月3日 14時) (
レス) @page22 id: 69f96811e5 (このIDを非表示/違反報告)
キリンミカン - こういう作品を探していました…！好きすぎて毎日見に来ています。体調に気をつけながらも更新がんばってください！ (11月3日 12時) (レス) @page20 id: e14e8e6fbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寒蘭 | 作成日時：2023年10月27日 17時
