【刀剣乱舞】愛してます、主、切実に (ページ7)

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五話*徳川の悪魔ページ7

稲瀬side

「でも姫ちゃんと薬研ニキ、お似合いだと思うよ?」

「そりゃ本当か大将!」

あ、桜出してるw
そこは短刀っぽいよね、薬研ニキも!

「ただいま戻りました…」

「あ、噂をすれば!おかえり姫ちゃん!」

玄関へ行くと、第一部隊と第二部隊が帰還していた。

…しかし、

「軽傷七振り、中傷四振り、重傷一振り、
両部隊、共にA勝利…し、まし…」

ボロボロになった皆がいた。
しかも姫ちゃんに至っては、その場で倒れてしまった。

「姫ちゃん!?しっかり!しっかりして!?」

「落ち着け大将!俺っちが姫鶴を運ぶ!
非番の奴は中傷の奴を運んでくれ!
軽傷の奴は調合室に来い!俺っちが手当てする!」

薬研ニキの指示により、皆は手入れし、
姫ちゃんも大事には至らなかった。

◆

「あいてて…極とはいえ、練度は二十程度…
完全に私の驕りだ…!」

手入れ部屋の一室。
治りつつあるも、まだ包帯の巻かれた姫ちゃんが悔しそうに顔を歪めた。

そんな姫ちゃんの頭を、薬研ニキは優しく撫でた。

「いやそれは違うぜ姫鶴。
七面はそれほど手強い敵さんだった。

姫鶴は何も悪くない。」

「…ん、ありがと薬研」

ニキに撫でられて、心地よさそうに笑っていた。

「ごめんね姫ちゃんんん!
私がダメな審神者なばっがりにぃぃぃ!!」

ずびずびと鼻水を垂らしながら謝る私。
姫ちゃんは目を見開いた直後…

「…刀は戦ってこそ、扱われてこそナンボです。
だからむしろどんどん使って下さいね、主」

そう言って、綺麗に微笑んだ姫ちゃんだった＿＿

「ｽﾞﾋﾞｯあ、そうだ!7-1に行ってた第二部隊の皆が
新しい刀を持ってきてくれたんだよ!」

「へぇ、そうなんですね…」

「しかも脇差!噂によれば、幸運の刀みたいなの!」

「幸運の刀?…

…待って主!そいつを顕現させちゃ＿＿」

「え?何か言った?」

突然起き上がった姫ちゃんが項垂れた。
と同時に、脇差に光が集まって、

「物吉貞宗と言います!今度は、
あなたに幸運を運べばいいんですか?」

クリーム色のふわふわした髪、

髪と同じ色の、優しそうな瞳、

真っ白の騎士みたいな軍服、

物吉貞宗くんは、まるで王子様みたいな子だった。

「来たな、徳川の、悪魔……っ!」

「え、姫ちゃん?」

恨めしそうな姫ちゃんの顔、

「あっれぇ?上杉軍の負け犬じゃないですかぁ!」

しかし、物吉くんの豹変っぷりの方がもっと驚きだった。