三十九話*行ってきます ページ46
秋人様の体温は、冷たい。
でも私だって冷たい。
…もう麻痺して暖かく感じるの。
.
このままじゃ駄目だね。
「秋人様、私、そろそろ帰ります。」
「えーもうー?早くないかー?」
「はい(笑)、皆を待たせていますので。」
「…もう、二度と来れないぞ?」
いいのか?
秋人様は寂しそうに笑っている。
…こっちもつられちゃうよ。
「はい。もう貴方には一生会えないと思っていました。
でも今こうして会えた…それだけで、もう悔いはありません。
.
私は貴方に恋をしていた。
でも人と神が結ばれる事は決してできない。
…貴方を神隠しし、まだあった息の根を止めたのは私です。
『無事に天国に行けた』…あれは嘘でずっと此処におられたのですね?
しばしとはいえ、秋人様を待たせてしまい、申し訳ございませんでした。」
秋人様の前で土下座した。
「…顔を上げろ、姫鶴」
「はい」
「俺には妻がいる。あまり会えなかったけどな、それでも愛していた。
神様曰く、天国で俺を待ってるんだと。」
「…っ」
分かっていた。
こうなることも、こう言われることも、
「本当は、お前の神隠しを解くことぐらいできたんだ。」
「へ…?」
「50年間審神者やってたしな。神隠しぐらい余裕だ。
でもなぁ、それでも此処でずっと待っていたのは…
.
やっぱりまだお前を放っておく事が出来なかったからなんだよなぁ…」
「う、そ…っ!」
涙がぼたぼた落ちる。
恋は確かに叶わなかった。
でも、思いは通じていた。
それだけで、もう十分だ。
「さよなら、秋人様……いえ、千秋様」
「おう。紅葉をよろしくな。」
「紅葉…?」
「あ、いけね!お前らにとってはAだったな!はい忘れた忘れた!!
俺の自慢の孫娘だ。しっかり守れよ。」
「はい。一文字則宗の名にかけて主をお守りします。
.
姫鶴一文字、行って参ります!」
そう言って走り出した。
早く、早く…
急がなきゃ…
「…鬱陶しいな、この髪」
自身で髪を切る。
背中を隠していた髪は、首が見える長さになった。
そして走っていくうちに、自分が変わっていくような…
気のせいかもしれない。
そんな気がした。
______
「_______姫ちゃん!」
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my614 - すみません 日光は姫鶴のあとに つくられた刀なので弟の ほうが正解…福岡は忘れました (2018年3月16日 16時) (レス) id: a703474556 (このIDを非表示/違反報告)
霧月@蛍愛で隊(プロフ) - ココアサイダーさん» ぃよしゃぁああああ!!!!極実装してただけとか、びびらせんなって!!!先がよめなくてハラハラしたけど!!! (2016年10月20日 0時) (レス) id: 1bbe61e1fe (このIDを非表示/違反報告)
ココアサイダー(プロフ) - 霧月@蛍愛で隊さん» こういうことじゃ( ※この作品はシリアルです (2016年10月20日 0時) (レス) id: abb1e24d8b (このIDを非表示/違反報告)
霧月@蛍愛で隊(プロフ) - は・・・?「無事折れた?」っては?どういうことじゃ(威圧) (2016年10月19日 23時) (レス) id: 1bbe61e1fe (このIDを非表示/違反報告)
☆NATU☆ - 夢主ちゃん・・・ってか刀剣男子が純情すぎるww(三日月夢主ちゃんに何かしそうで怖いwww) (2016年10月4日 16時) (レス) id: 82b135c89e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ココアサイダー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/uranaikari1/
作成日時:2016年9月6日 1時