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三十六話*突然の来客 ページ43

Aside



姫ちゃんが折れて3日…私達は前を向けていない。



全員話す事はあっても、笑う事が少なくなった。
姫ちゃんの事は、禁句かのように皆口に出さなくなった。




一期さんと鶴丸さんはぼーっと心が何処かに行ってしまう事が多々ある。

最初は1,2回程度だったけど、今はもう数え切れなくなった。



長谷部さんと宗三さんは、突然涙を流すようになった。

その度に彼らを抱きしめ、泣き疲れて眠るまで背中を叩く。



…薬研くんは、ずっと部屋に篭って自分を責め続けている。

一度だけ様子を見に行った時に、声を押し殺すように泣いていた。

「俺のせいだ。俺のせいだ。」と機械のように繰り返し呟いていた。



…そんな訳ないよ、なんて言えなかった。




私も、随分と暗くなった。
元気だけが取り柄だったのになぁ。



それほど、姫ちゃんはこの本丸に必要なんだよ。

姫ちゃんがいないと、私達何にもできないんだよ?







…会いたいよ。



そう口に出したくても、出せなかった。





「ちわーっす」


突然庭に声が響いた。
この垢抜けるくらい明るい声は…




「おー、よっAちゃん!」

「神保さん…」



この本丸の担当の神保さんだった。
歳は私より少し上で、私を妹のように接してくれる。


そんな神保さんが、どうして此処に…?

そんなことを思いながら、部屋に上げた。





「お、この茶入れたのが平野で、この茶菓子作ったのが光忠?
すっげぇ美味い、ありがとな。」

「あ、ありがとうございます…」

「相変わらず元気だね、神保くん…じゃあ主、後は…」

「う、うん…ありがとね、平野くん、光忠さん…」



二人を出して、私と神保さんだけになる。




「あの、神保さん…」

「要。要でいいっていつも言ってんじゃん。」

「そんなの言えないですよ…」

「それ姫鶴ちゃんにも言われた。」



姫ちゃん…

その名前を聞くだけで、こんなにも苦しい。
目が潤んで、鼻の奥がツンとする。



つい懐かしんでいたら、神保さんが口を開いた。







「あ、そうそう。姫ちゃんは無事折れた?」

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設定タグ:刀剣乱舞 , シリアル   
作品ジャンル:ギャグ
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my614 - すみません  日光は姫鶴のあとに つくられた刀なので弟の  ほうが正解…福岡は忘れました (2018年3月16日 16時) (レス) id: a703474556 (このIDを非表示/違反報告)
霧月@蛍愛で隊(プロフ) - ココアサイダーさん» ぃよしゃぁああああ!!!!極実装してただけとか、びびらせんなって!!!先がよめなくてハラハラしたけど!!! (2016年10月20日 0時) (レス) id: 1bbe61e1fe (このIDを非表示/違反報告)
ココアサイダー(プロフ) - 霧月@蛍愛で隊さん» こういうことじゃ( ※この作品はシリアルです (2016年10月20日 0時) (レス) id: abb1e24d8b (このIDを非表示/違反報告)
霧月@蛍愛で隊(プロフ) - は・・・?「無事折れた?」っては?どういうことじゃ(威圧) (2016年10月19日 23時) (レス) id: 1bbe61e1fe (このIDを非表示/違反報告)
☆NATU☆ - 夢主ちゃん・・・ってか刀剣男子が純情すぎるww(三日月夢主ちゃんに何かしそうで怖いwww) (2016年10月4日 16時) (レス) id: 82b135c89e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ココアサイダー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/uranaikari1/  
作成日時:2016年9月6日 1時

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