【刀剣乱舞】帰ってきてください、主、切実に

三十四話*さよなら ページ41

「ねぇ…A様…」

「っ、何?姫ちゃん…」

「私…






.





もう、駄目みたいです…」


体が冷えていく。
血なんてもうなくなったみたい。



…これが、死ぬという事なんだろうか。





「…るの」

「…?」

「何言ってるの!?駄目だよ!!せっかく、仲直りできると思ったのに…」




A様が嗚咽を漏らす。
握りしめる手の力が、強くなる。




…なのに、




「A様の霊力、もう届かないんです…
これ、私が死ぬって事ですよね…?」

「_ッ!!」




まだ、この本丸はこれからなのに…

まだ、こんな色狂いを支えていかなきゃならないのに…

…まだ、皆と一緒にいたいのに、






「…千秋様も、こんな気持ちだったんだ。」



私達ばかりが寂しい訳じゃなかった。




…いざ自分が死ぬ時になって気づくなんて、愚かだね。







「…ごめん、皆。私、先に千秋様のところに行くね。」

「いやぁぁぁ!絶対に駄目!ねぇ姫姉!姫、姉…っ!」

「姫鶴…っ!」



皆の声が耳に響く。
触れた手が、とても熱い。





これも全部、人の身を持って気づけた。







ありがとう、皆。



ありがとう、A様。









.









.









…ううん、『主』




「今更気づいたんだ…人間って、こんなにも暖かったんだね。」

「駄目ッ…姫ちゃん!!!!!!!」



ﾊﾟﾘﾝｯ

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