【刀剣乱舞】帰ってきてください、主、切実に

三十一話*22→ ページ38

「ｶﾞﾊｯ!ｹﾞﾎｹﾞﾎｯ!」



体内から何かが込み上げ、思わず吐き出した。




目の前は、口元を拭った左手には血でいっぱいだった。


……さっきの槍が、駄目なとこに刺さったか。





「ふふ…私も手術行き…」


思わず自嘲してしまう。
…ああ、医者として情けない。





自分の数値を見てみると、『生存:22/48』になっていた。
…さしずめ中傷か。





まあまだ動けるし、行けるか。
けど無理は禁物…




何としても、絶対に生きなきゃ…!





刺さったところに手拭いを当てて、包帯で縛る。
…とりあえず、大広間に行ってみよう。






ゆっくりと、進める。
すると目の前に…





「や、げん…」

「姫鶴!よかった、無事か…」



私の可愛い助手の姿があった。
見たところ怪我はあるものの、軽傷だ。私が治せる。



……しかし、




「薬研!」

「えっ?……!」



後ろから、ボロボロの大太刀が襲いかかってきた。
きっと死に損ないの最後の抗いだろう。



薬研は刀を出そうとするも、間に合わない。








このままじゃ…折れる。




そう思うと、体が動いていた。







ｻﾞｼｭｳｯｯｯ

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