二十八話*目を見て応えて ページ35
Aside
文ゴリ…歌仙の作った肉じゃが、
いつもなら美味しい、って言って笑えるのに…
「あの…姫ちゃ」
「ほら五虎退、このおひたし美味しいね」
「…っ」
姫ちゃんが、ずっと私を避ける。
最初は気のせいかな?って思ったけど、違うみたい。
あからさまに避けてるよね。
…やっぱり、えっちがいけなかったんだ。
「主」
「…スマイリー」
「心配しなくても大丈夫さ。姫鶴も素直になれないだけだから。
ほら、見せてよ。君にはそっちの方がお似合いさ……笑顔の事だよ?」
スマイリーだって、怖い思いしたのかもしれないのに…
嫌いになって、当然なのに…
「あの主…千秋様の孫だろう?嫌いにならないよ」
「…私のおじいちゃんって、本当に凄い人だったんだね。」
「はい!ぼくたちのあるじさま…いえ、千秋さまはとてもすごいおひとでした!」
その後、たくさんの刀達が話してくれた。
おじいちゃんと初めて会った日の事、
誉を取った時はいつも頭を撫でてくれた事、
短刀達と遊んだ翌日は必ず筋肉痛になっていた事、
…病に倒れた事、
「最初…皆ただの風邪だと思ってたんだ…
けど、主くんが『定例会の時に血を吐いた』って聞いてから…」
「肺の悪性腫瘍…だったんだよね?」
それは神保さんに聞いた。
…実は皆が気づく前から患っていた事も。
「俺達も最初は出陣や遠征をしていたが、姫は主につきっきりだった。
そして2年前、主の意識がほぼない状態になった時、俺達も傍にいた。」
鶴ちゃんの声は落ち着いていた。
でも、いつもの悪戯っ子みたいな表情はない。
「それで、主は、最後に……必死に、息を吸いながら、っ…」
はらはらと、目から大粒の涙を流していた。
鶴ちゃんだけじゃなく、他の皆も。
止めちゃダメだ
心の中で必死に言い聞かせた。
…こんなに必死に言ってくれているのに、「もういいよ」って言えないよ。
【ごめんなお前ら。俺ももう歳みたいだ。
人間にしては長生きしたつもりだが、お前らにとっちゃあ早すぎるよな。
お前らといれた毎日、お前らとの思い出、楽しかったことしかない。
審神者になって、心から良かった。
ありがとう。
…お前らの刃生が花丸であらんことを。】
「…本当、貴方とは大違いのお人よ。」
そう、姫ちゃんがぽつりと呟いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 223人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
my614 - すみません 日光は姫鶴のあとに つくられた刀なので弟の ほうが正解…福岡は忘れました (2018年3月16日 16時) (
レス) id: a703474556 (このIDを非表示/違反報告)
霧月＠蛍愛で隊(プロフ) - ココアサイダーさん» ぃよしゃぁああああ！！！！極実装してただけとか、びびらせんなって！！！先がよめなくてハラハラしたけど！！！ (2016年10月20日 0時) (レス) id: 1bbe61e1fe (このIDを非表示/違反報告)
ココアサイダー(プロフ) - 霧月＠蛍愛で隊さん» こういうことじゃ( ※この作品はシリアルです (2016年10月20日 0時) (レス) id: abb1e24d8b (このIDを非表示/違反報告)
霧月＠蛍愛で隊(プロフ) - は・・・？「無事折れた？」っては？どういうことじゃ（威圧） (2016年10月19日 23時) (レス) id: 1bbe61e1fe (このIDを非表示/違反報告)
☆NATU☆ - 夢主ちゃん・・・ってか刀剣男子が純情すぎるww（三日月夢主ちゃんに何かしそうで怖いwww） (2016年10月4日 16時) (レス) id: 82b135c89e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ココアサイダー
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/uranaikari1/
作成日時：2016年9月6日 1時
