【刀剣乱舞】帰ってきてください、主、切実に

十二話*誉はぁ… ページ17

「姫鶴、敵の陣形は?」



私が隊長と名乗って入るが、実質指示は長谷部が出している。
統率は長谷部の方が断然いいからね……馬当番増やそうかな。


…まぁ、索敵は私が段違いで上だけど。



「逆行だね。雁行にしようか。」

「あぁ、分かった…先手を取るぞ!怠慢は許さん!」




長谷部の一言により、刀を抜く。
皆の顔は真剣そのものだった。



先陣は長谷部。
機動も、あんたが本丸一だ。




長谷部が先陣切って攻めていくなら、



私は裏で操ってあげる。



最高の陣形を提供してあげる。





「…さぁ、張り切っていこー!」




それが、私のやり方だから。




◆

「うらぁっ!」

ｻﾞｼｭｯ!!


次々に現れる敵を斬り倒していく。
…やっぱり、我ながら動きが鈍すぎる。


長谷部に怒られちゃうなぁ。




「やはり遅いな、姫鶴」

「ごもっとも…やっぱり、十年分の遅れってあるもんだね。」

「主の為だ。早く俺達に追いつけ。時間を無駄にするな。」

「主の為、ねぇ…」




本丸の今の主は、A様。


…けれど、私にとっての主は千秋様だけだ。


主が大切でしょうがないのはアンタだって同じでしょ?





「長谷部。長谷部はA様の事、主として認めてる?」

「…あぁ勿論だ。今の主はA様だ。
いつまでも過去に囚われている暇はない。」




長谷部、長谷部。






"『貴様は医者だろうっ!?それなら…








.







頼む、主を治してくれ…っ!』"




…嘘つき。

十三話*おかえり→←姫鶴一文字~ボイス集2~

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す