【刀剣乱舞】帰ってきてください、主、切実に

序章 ページ2

主が亡くなってから数日後、


少しずつ、けれど確実に私達刀剣達は、前に進んでいる。



粟田口を中心とした短刀達は庭のお掃除、

それ以外は本丸内のお掃除、



…そして、



「なーんでアンタなんかと掃除しないといけないんだか…」

「無駄口を叩く暇があったら手を動かせ。」

「うるさいこの主命人間」

「それ言うと姫鶴もおんなじだせ?
大将の為ならたとえ火の中水の中ってな。」

「どの口が言ってるのかしら、やーげーん?」

「姫鶴いふぁいいふぁい」



長谷部は私と共に主の為に動いてきた、言わば相棒…いや、犬猿の仲だ。

薬研は私の助手。医術面での期待は大きい方だ。



私達は、主の部屋を掃除していた。




「こんのすけが言ってた通りなら…今日なんだよね。」

「あぁ、そうだな…」



あの日の翌日、政府が主の遺体を持って行った。
短刀達どころか、いい刀剣達が縋り付くからめっちゃ時間がかかった。


だが、政府の一言により、皆の目の色が変わった。




"「明後日、この本丸の審神者…千秋様の孫娘にあたる方が後継者になられます。
暖かく、迎えてあげてくださいね」"




「大将の孫かー…そういや会った事ないぜ」

「きっと主に似て、優しく聡明なお方なのでしょう。」

「そうね、だってあの主だもの!お孫さんも素敵な方に違いないわ!」

「大将がいなくなっちまってどうなることかと思ってたけど…大丈夫そうだな!」

「よし、急いで片づけるぞ!新しい主の部屋こそ、綺麗にしなくては!」






そうこうしているうちに、政府の黒い車がやってきた。
…いるはずの新しい主を乗せて。





「あー!せいふのひとたちですよー!」

「ようこそ、我が本丸へ!」




政府の人が降りてきた。
そして、後ろの扉に手をかけた。




「わぁぁ新しい主様だ!」

「どんな方なんですかね、いち兄!」

「非常に楽しみですな」




そうして、政府の人の後ろの歩いてきたのは…






「「「………は?」」」


全員がアホ面だ。
長谷部や薬研…不甲斐ないが、私もだ。





「初めまして!新しくこの本丸の主になったAです!よろしくね!」


言葉だけならまだ分からなくもない。
問題はその服装だ。


どうして…





「巫女服の布が九割九分ないんです!?!?」

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