2 ページ2
．
「それだよそれ！あんたマジで興味ないのねあいつに」
「それって何が？」
「ほら、あたしって友達多いじゃん？」
自分で言うか？と思ったが、事実であった。この友人は色々なところに顔がきく世渡り上手だ。私以外にもたくさんのコミュニティに参加している。
「最近色んな子に聞かれるわけよ、Aはだるまのこと好きなのかって」
「はぁ？なんで私の意見なんか」
「しらね。ま、私の周りの子の恋愛についての情報収集してんじゃなーい？」
「……意味わかんな、」
今度こそ隠しもせずに顔を歪めた。昔から恋する女に関わるとろくなことがない。恋する女は確かに可愛いが、その強烈な嫉妬心と真っ黒な猜疑心によってショッキングピンクの連帯感によって人を追い詰めていく。女はこれだから嫌いだ。
しかし、友人はそういう意見ではないらしい。大袈裟なまでに肩をすくめて、呆れたように睨まれた。なんで。
「ほら、ぼっちのAは知らないだろうけど女って大抵ファッションとメイクと男の話しとけば満足するから」
「ぼっちで悪かったな」
思わず悪態をつく。
確かに私はぼっちだが、誰にも迷惑をかけていないし、グループとかつるむとかそういうのがないから一人の方が気楽だ。自分で納得してぼっちをやっているのに、なんでそんな可哀想なやつみたいに言われなきゃいけないのか。心外だった。
気を悪くしたようにむくれる私を見て、友人はまあまあと大ぶりに首を傾げる。
「で？」
「で、って」
「あんたはだるまをどう思ってんの？」
「どうって」
「ほら、好きとか」
「はぁ！？」
「お、脈あり？」
とんでもないことを言い出した友人に、ここがどこかも忘れてぽろりと言葉が出た。
「やだよあんなやつ、病気持ってそうじゃん」
今思っても、割とひどい言葉だと思う。
流石に空気が読めないと言われる私でも、どれだけ嫌いなやつでも言っていいことと悪いことがあるのはわかっている。しかし、そう言われても仕方ないことをしているのは向こうなのであって、全く関わることがありえなかったからこそここまで好き勝手に言えたのだ。
そう、「ありえなかった」のだ。
私が、渦中の人であるだるまに呼び出されるまでは。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 512人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みぃた - ちゅき、、、 (4月18日 0時) (
レス) @page5 id: 79fc2d292f (このIDを非表示/違反報告)
ぴびび - おもろw好きです！応援させてください！！！！！ (4月16日 2時) (レス) @page5 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
きなり(プロフ) - ここの界隈じゃあまだ見た事のないタイプの作品でもう全てにびっくりです笑。めちゃめちゃ好きです。 (2022年12月4日 22時) (レス) id: 7ea244ae4c (このIDを非表示/違反報告)
わああ - おもしろ！！！すきやわ！！ (2022年10月14日 16時) (レス) @page5 id: 965338fe66 (このIDを非表示/違反報告)
Lu__A09(プロフ) - いや、めちゃおもろいんやが何？最高かて (2022年10月14日 10時) (レス) @page4 id: ebf47e3a09 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：プロシオンの烙印 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/6zp7JIEaL24NfiM
作成日時：2022年10月13日 18時
