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(上手くやれたな)
思ったより上手くいった。まさかここまで上手くいくとは。そう思いながら、オチた男を見つめる。女の細腕でどこまでやれたものかと考えていたのだが、首の骨を「少し」外しただけでオチてくれるなんて。ラッキーだったな、と息をつきながらしゅるりと制服のリボンを外して首に巻く。ごめんなさいね。なんとも思ってないのにそんな声をかけた。自嘲に歪んだ笑みを浮かべながら肉に食い込むほど縛り付ける。男はもがいていたが、やがてピクリともしなくなったのを見つめた。ごそごそと男の懐を漁り、ちょうどいいモノ・・・・・・黒光りする拳銃を見つけてたまらず笑みを浮かべた。それをそっと手に取り、懐に仕舞い込んだ。
そして男を側にあった狭い掃除用具入れに詰め込んだ。
ああ、なんだか。やっと戻ってきた感じがする。


かつり、かつり、かつり。
無音のホールに靴の音が響いた。そこに倒れ込む男たちは何もかもがべっとりとあかく染まっている。腐臭にも似た血の匂いと、鼻をつくような火薬の匂いが濃い。そんな中をただひたすら前進する。拳銃の弾が切れそうになれば、使い捨てて奪った銃を持ち替えた。そうしていれば、すぐに新しく人が現れる。
「な、なんだお前は!」
また一人、そうして男が現れた。ふっと邪気なく微笑みながら走り寄り、男が銃を発砲する寸前で心臓に銃を3発、倒れ込む瞬間に眉間に1発食らわせる。また、血の匂いが濃くなっていった。また銃を奪い取り懐に仕舞い込む。そして、ちょうどいいナイフも手に取り、そして立ち上がった。
(バレてんだよなぁ、後ろから来てるお馬鹿さん)
銃を発砲する音が聞こえてくる。振り向き様に避けながら、びくりと震えた脂汗の濃い男の首を力を込めて真っ直ぐに斬る。こふりと血を噴き出した男の首から、音を立てて噴水のように溢れ出す血が跳ねた。それが制服に、そして頬にもついていく。
「・・・・・・汚いなぁ」
これ洗うの大変なんだけど。そう言いながら頬を拭う。
これで何人あの世に送っただろう、と冷静な脳裏が演算を始める。おそらくだが、他の階にいる連中も気づいた頃だろう。走っている中で見たエレベーターはこの階を指し示していたのを記憶している。
なら、さっさと黒幕とご対面したほうが、こちらにとって都合がいいな。そう思ってびしゃびしゃと音を立てて血の海を歩いていった。

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米の磨ぎ汁※低浮上(プロフ) - 面白い内容で惹き付けられました。ところでこの物語は名前固定なのでしょうか?名前固定では無いのなら名前変換が出来ません。 (2022年10月31日 19時) (レス) id: f1886f3e92 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:プロシオンの烙印 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/6zp7JIEaL24NfiM  
作成日時:2022年10月5日 18時

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