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現れる、撃つ、現れる、撃つ、現れる、撃つ。たまにナイフで首を飛ばす。現れる、撃つ、現れる、撃つ、現れる。
それを繰り返し繰り返し、趣味の悪い豪奢な部屋にようやく辿り着いた。へえ、金がかけられていそうだな。金の光るアクセサリーをジャラジャラつけている男みたいな扉を見上げて、スッと目を細めた。正直にいうと、金を荒く使う人間にあまり理解はできないのだが。
これから死ぬ人間に、あまり心を傾けても仕方のないことだ。
そう思って、ぎぃと音を鳴らしながらドアを開けた。

そこは、やはり趣味のいいと言える部屋ではなかった。。数々の賞状やトロフィー、それだけならいい。だが宝石やきらきらしている武器などが所狭しと飾られている。蛍光色、というのか、その色があたり一面に広がっており、目がチカチカするし鼻が曲がりそうな香水の匂いが充満している。部屋を進んでいくと、天蓋付きのベッドの上に大きな塊ができていることに気がつく。
湿気の多いタオルケットとシーツに包まれた「それ」は震えていた。生きている。そう思った瞬間に体は動いている。昔の勘が戻ってきていることを痛感しながら、カーテンコールが上がるようにタオルケットを奪い取った。
「ひっ、ひっ、」
「・・・・・・私たちを誘拐したの、貴方ね?」
ふくよかな裸だった。肥太った体になんのものか考えたくもないような液体がついている。どこからどう見ても、不審者として突き出されそうな男だった。それを眺めながら、もう一度優しく尋ねる。
「私たちを誘拐したの、貴方?」
「し、知らない!俺は何も、」
その言葉が聞こえた瞬間にナイフと銃を突きつける。さすれば悲鳴を上げた男は、怯えるようにこくこくと頷いた。そう。小さい声のつもりが思ったよりも広い部屋に反響する。
「この誘拐を企てた理由は?」
「り、理由は、た、たくさんの女の子と触れ合いたかったから」
「お金はどこから?」
「か、借りたんだ!」
「そのお金で、あそこにいた人々を雇ったの?」
「そ、そうだ」
「教えてくれてありがとう」
淫蕩な熟女のような顔をして、礼を言うと、油断したのか本能の笑みが浮かべられる。
その瞬間を待ってたことに、どうしてこいつは気づかないのかしら。
「じゃあ、あの世で会いましょう?」

男が倒れている。血を流し、首も切断され、何が起こったのかわからないような顔をしながら倒れている。それを見つめる私はきっと、何の感情も抱いていないことだろう。

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米の磨ぎ汁※低浮上(プロフ) - 面白い内容で惹き付けられました。ところでこの物語は名前固定なのでしょうか?名前固定では無いのなら名前変換が出来ません。 (2022年10月31日 19時) (レス) id: f1886f3e92 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:プロシオンの烙印 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/6zp7JIEaL24NfiM  
作成日時:2022年10月5日 18時

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