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「やっぱり如月さんって仁王くんのこと好きなのかな？今度、綾香ちゃんに聞いてみようかな」
「えー？Aちゃんでしょ？彼女はキョーミ無さそうだけど」
「ふふっ……当たり！Aは仁王のこと好きでもなんでもないよ。ってか、面倒だとか変な人だとかって思ってそう」
マネージャーがいることに気付いていなかったのかAの話をしていた二人の女子。おそらくテニス部の……誰かのファンであることは確かだろう。
「やっぱり？ほら、親友の綾香が言ってるんだからAちゃんは仁王くんにキョーミ無いんだって！」
「ま、話はそこで終わりじゃ無いんだけど」
「え、綾香ちゃん。どういうこと？」
ちゃんと秘密に出来る？と聞くと頷く二人。たぶん、これを聞いたら黙っていられずに噂を広めるだろうけどそれでいい。私はあえてそれを狙っていた。
「実は仁王の奴、Aのこと好きなのよ。それで、私が現在進行形で手伝ってやってんの」
「ええ！？」
「やば！仁王くんて恋愛の手助けしてもらうようなタイプなんだ。しかも、綾香なんかに」
「綾香なんかに……は余計よ！その証拠にほら」
タイミングよく現れた仁王とA。ありがたいことに手まで繋いで……仁王のくせにやるじゃない。って言いたいけど、真っ赤になった顔を必死に隠そうとしている彼と冷静というか無表情のA。
まぁ、頑張ったけど惜しい。てか、あの様子を見れば誰だってわかるんじゃない？
「仁王くんって、やっぱAちゃんのこと好きなんだ……てか、あの仁王くんが赤面してて可愛い」
「ホントだ。だから如月さんのことよく見てたの……？」
「え、仁王ってAのことよく見てんの？ただの変態じゃん……まあいいや。さっき言ったことは……わかってるよね？」
はいはーい。とニヤニヤしながら歩いていった女子。これで噂と言う餌がばらまかれる事となる。後は大物がその餌をどうするか。
もし、餌と間違えてAに噛み付こうとする魚が現れたら……その時は。
「味噌煮にでもするかな……それとも普通に塩焼き」
「宇佐美、何の話？」
「ん、幸村。夕飯の献立どうしようかなって思ってさ。何で？」
「物騒な雰囲気だったから」
「大丈夫大丈夫。上手くやるから」
「そう。ならいいや」
「ジャッカル、今の幸村くんと宇佐美のやり取り聞いてたかよ？」
「ん、いや。聞いてなかった。夕飯がどうとか言ってたか？」
「いいや、あれは絶対に何人か葬り去るときの会話だぜ」
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作者名：宇治銀時 | 作成日時：2024年1月6日 23時
