徒然なるままに、夢を見る。 (ページ48)

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地に伏せったまま「ムリはしちゃ駄目だ」と声を上げるぺいん先輩。「うっ、また記憶が」と諦めムードのツルギ、「A、オメェ納得いってねぇならやるんじゃねぇ」と自分を犠牲にしようとしているアニキ。

覚悟はできてるからと目を瞑るAさんの顔に手を添えた。後は唇を重ねるだけ、と脳内に命令が走る。互いの息遣いを感じるような距離まで近付いて、Aさんが震えていることに気付いた。

「Aさん、やっぱオレにはアンタの初めてをもらう資格ねぇっすよ」

やっとのことで笑うと同時に自分の身体が傾いた。かすれる視界には、驚いてオレを抱き上げるAさんが映る。

アンタも無理してるってんのにオレの心配なんざ。
やっぱりアンタは優しい人だ。

「アンタみてぇな先輩を持ててオレは幸せっすよ」

「エギくん……」

その時、扉のあたりで爆発が起きる。何度も何度も起こる爆発と、扉の下から少しずつ侵入してきた炎。

「やっぱ爆破エンドかよ」

パチパチと木の爆ぜる音が響き渡り思わず乾いた笑いがもれる。が、Aさんは嬉しそうな顔をして言った。

「迎えに来るのが遅いんだよ」

扉を蹴破って入ってきたのはロケランとバットを背負ったパステルカラーのアロハシャツ。真っ先にAさんを抱き上げると、炎のあがる入口に彼女を庇いながら突撃して脱出する。

「おいおい、つぼ浦先輩。好きな女のために身体張って……カッケーじゃねぇか」

「……あれ、オレ達は？」

「ん……？」

○月□日
警察関係者、記憶喪失4名。

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好きな人集めただけの〇〇しないと出られない部屋。
何もできてないけど楽しかった。