徒然なるままに、夢を見る。 (ページ47)

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「ところでこの部屋、何が条件で開くんだ？」

「何かメモあるっスよ」

ハテナマークを浮かべたアニキにタイミング良くメモを拾ったツルギくんはさっと目を通してそれをそっとエギくんに渡す。

「なになに、ちゅーしないと出られない部屋？ふーん……Aさん！狼恋エギのはじめて捧げてもよろしいでしょうか？」

「私も初めてだけど。というか、いらないです」

「うっ……フラレた」

泣き出す人が二人になってしまったタイミングでツルギくんのお腹がなった。そういえば腹減ったなと、口々に言い合いご飯を出し合うも食べられる物は一切出てこない。

「え、これ餓死エンドっすか」

わーわー騒ぎ出したツルギくんとエギくん。大丈夫、今助け呼ぶからとスマホを取り出そうとするもいつの間にか没収されていたことに今更気付く。

「助け呼べねぇじゃん！」

次から次へと空腹か脱水で倒れていく皆。このまま記憶をなくしてしまうんだと呻く死屍累々たちにきっとダウン通知を見て救急隊が助けに来るからと励ましの言葉をかける。

「でも、ちゅーして出れるんなら」

と、隣で倒れそうになっているエギくんに向き直る。エギくんはさっき腹括ってたのに自分が変に拒んだせいで今ぺんさん達の大切な思い出が喪失しようとしている。そんな罪深いこと私のファーストキス如きと釣り合うのか。そんなわけ無い、でも。

「エギくん……やろうか」