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戸を閉めた自分が恨めしい。
再び顔が近付いたとき、私ははっとして清光の口元を押さえつけた。
「…やめて……」
自分の身に起こったことが、今になってじわじわと現実感を増して、体温が上がる。
清光は口元を押さえる私の手首を掴むと、いとも簡単にそれを外す。
「…そんな顔されたら…、」
再び顔が近付いて強く目を閉じたとき、部屋の外で声がしたような気がして戸の方を見る。
「参ったな…不在だろうか」
どうやら先程から呼びかけていたらしいその声は、一期のものだった。
「っい…」
「しー…」
助かったと声を出そうとして、しかしすぐにそれを阻まれる。
ふと耳元に近付いた清光が、囁くように声を紡ぐ。
「…いいの？こんなとこ見られても」
その言葉に目を丸くする私を前に、清光の唇が薄く弧を描く。
「ねぇ主、もっと愛して」
「！っや、め…」
唇が首筋を這うと、体から力が抜けてしまう。
「お願い…拒まないで、」
肌の上をめぐる感覚から逃げようとすると、させまいとするかのように清光の泣きそうな声が響く。
しかし当の清光の表情は声色と対照的に、どこか恍惚としている。
それは到底、悲しみからくるものではない。この顔を、見たことがないわけではない。
これは敬愛でも、慕情でもない。この目は…
「……めて…」
頭で理解してしまうと、全身から血の気が引くような恐怖を覚えた。
「…やめて、清光……お願い」
「！ある…」
「主さんからの頼まれ事ならいなくても入って大丈夫じゃない？」
「あっ、乱…」
思わず涙が溢れそうになったとき、戸が勢いよく開かれる。
「あ……」
戸が開けられてすぐ、一期と目が合った。
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ぽん(プロフ) - 嵯峨野ルナさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます…！しばし離れていたジャンルですので少々浦島ですが、こんなお言葉を頂けてありがたい限りです…！ら良ければお暇なときにでも、引き続きお付き合いくださいませ (10月14日 14時) (
レス) id: 87fc64d822 (このIDを非表示/違反報告)
嵯峨野ルナ(プロフ) - 最高な作品に出会えて嬉しいです。お体に気を付けて、更新楽しみにしております！ (10月14日 10時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
嵯峨野ルナ(プロフ) - 初めまして！コメント失礼いたします。とても素敵な作品で1日に2度も繰り返し読んでしまいました。綺麗な言葉遣いでキャラクターの魅力が惹き立っていますし、夢主も私好みでキャラ達との関係も今後が非常に楽しみです！ (10月14日 10時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽん
| 作成日時：2023年10月9日 16時
