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「はぁ〜〜……」
話が終わると、薬研はそこまでかと言ってしまいたくなる程の大きな溜息をついた。
「…整理させてくれ」
そうして、片手で頭を押さえる。
「つまりその首のは加州の旦那が大将を抱こうとして…んぐっ」
「いっ…言い方！！」
初っ端から誤解のあるその言い方に、慌てて薬研の口元を塞ぐ。
しかし薬研は「なんだ大将このくらいで」と不満そうにその手を外した。
「……で、そこに運良くいち兄が居合わせて助けられたと」
いつまた薬研がとんでもない言葉選びをするかとはらはらしながら、こくりと頷く。
「色々と物申したいところはあるが…うん、まぁそこまではわかった」
薬研は私に呼応するようにこくりと頷くと「それでだ」と続けた。
「何をどうしたら鶴丸の旦那にまでちょっかいを掛けられることになるんだ？」
それは私が聞きたい。
今の明朗という言葉を表したような鶴丸を見ていると忘れそうになるが、おそらく就任当初最も私に当たりが強かったのは鶴丸だ。
心の中でだけそう訴える私のことなど露知らず、薬研が今日何度目かの溜息をつきながらくしゃりと髪をかきあげた。
「それに、三日月の旦那には名を聞かれただって？…一体この短期間で何人に魅入られてんだ」
俺がいなかったのはせいぜい数日だろ、と言いながら、薬研が顔に疲労の色を滲ませる。
「……ま、終わったことを掘り返しても仕方ない」
なんと声をかけようかと迷っていたものの、薬研はすぐに切り替えるようにして顔を上げた。
「どのみちこのままって訳にもいかんだろうが…差し当っては近侍をどうにかしねぇとな」
「……」
薬研の言う通り、このまま問題を放置という訳には行かないが、私は自分の身に起こったことに未だに混乱している。
もちろん、そんな言い訳が通用するわけもないのだけれど。
「大将」
私が考え込んでいると、柔らかく笑んだ薬研がふと小さく首を傾けた。
「俺の手は必要かい？」
まるで答えなど決まっているかのように問うてくる薬研に、一拍置いてから頷く。
「…世話をかけてばかりだけど、頼みたい」
言って、差し出された手をそっと取る。
見上げるようにして薬研に視線を移すと、その口元が綻んだ。
「ああ、任された」
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ぽん(プロフ) - 嵯峨野ルナさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます…！しばし離れていたジャンルですので少々浦島ですが、こんなお言葉を頂けてありがたい限りです…！ら良ければお暇なときにでも、引き続きお付き合いくださいませ (10月14日 14時) (
レス) id: 87fc64d822 (このIDを非表示/違反報告)
嵯峨野ルナ(プロフ) - 最高な作品に出会えて嬉しいです。お体に気を付けて、更新楽しみにしております！ (10月14日 10時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
嵯峨野ルナ(プロフ) - 初めまして！コメント失礼いたします。とても素敵な作品で1日に2度も繰り返し読んでしまいました。綺麗な言葉遣いでキャラクターの魅力が惹き立っていますし、夢主も私好みでキャラ達との関係も今後が非常に楽しみです！ (10月14日 10時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽん
| 作成日時：2023年10月9日 16時
