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「…ッ?!」
私が立ち止まりながら否定し、後半はどうしても照れたけど…言うと、仁は顔を赤らめて驚いた。
「そっか…それであんなことを…だよなぁだって…俺の所有物だもんなぁ…」
そして口元に手を当て何かぶつぶつ呟きだし始めた。
何を言ってるのかわかんないけど…なんか所有物とか聞こえてちょっと怖い。
「でも…計画、失敗しちゃったぁ」
「何が失敗しちゃっただバーカ」
私がちろっと舌を出しながら言うと、彼は溜息をついてデコピンを食らわせた。
「ッ?! 痛っ…?!」
しかも地味に痛い。
「な、なんでデコピンっ?!私何か悪いこと…したか」
「自覚症状あるのかよオイ! …まぁいいや。第一よ、バイトなんかして金貯めて俺に贈り物ぉ?発想が小学生かお前は」
「しょうッ…?!」
いやいやいや。誰だってお金貯めて何か買ってプレゼントって考えはするでしょう。
「まぁそこはいいとして。何でバイトなんかすんだよバーカ。そんなんなら女性客専用の店とかにしろよ。他の男にバイトで奉仕だなんて…そんなの俺が許すかっつーのよ」
「ですよね…」
仁のグチグチと続く文句を苦笑しながら聞く。
というか女性客専用の店なんて存在するのかね。
「だから黙って」
「バーカ。何かあったらすぐ俺にいえ…絶対だ。解ったな?
それにそんなもんいらねーよ。Aがいりゃそれで十分なんだ」
彼は私のセリフを遮って、ギュッと抱き寄せた。
感じる、彼の体温。
そのぬくもりは不思議と、水野さん達との別れの悲しみを和らげてくれた。
「だからたっぷり甘えさせて貰いますよ…Aちゃんっ」
「…仁」
仁は私を離すと、ギュッと手を握ってきた。
その手も彼同様、暖かい。
私たちは手を握ったまま、再び歩き出し始めた。
しょうがない。いつもはまぁその…過激だから嫌だけど。
今回ばかりは仁が甘えてきても、いいかな。
私はクスリと笑うと、握る力を少し強めた。
*バイトします。編 END*
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フィーア―vier―(プロフ) - ゆあんさん» コメ有り難う御座います!この時間なのでこんにちはになってしまうかな?w ありゃぁあ…そんな顔文字をつけてまで続きが気になるだの言われちゃったら嬉しくなるじゃありませんか。←嬉しいです。受験生ですが、頑張って更新させていただきます。 (2014年7月21日 17時) (レス) id: 9333c965f2 (このIDを非表示/違反報告)
フィーア―vier―(プロフ) - 莉羅さん» コメ有り難う御座います!うわぁ!そんなに「っ」をつけて面白いと言っていただけると、それだけ面白いってことが伝わってきて…あああもう感激です!!受験生のため、更新はかなり遅くなりますがこれからも頑張らせていただきます! (2014年7月21日 17時) (レス) id: 9333c965f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあん - こんばんは!凄く面白いです!続きが気になります(*´∇`*)更新頑張ってください(p^-^)p (2014年7月12日 20時) (携帯から) (レス) id: 1daf510f09 (このIDを非表示/違反報告)
莉羅 - とっっっても!面白いです!!頑張って下さいぃぃ! (2014年7月7日 19時) (レス) id: db9ded1328 (このIDを非表示/違反報告)
フュンフ ―funf―(プロフ) - 龍崎花音さん» どもども☆フュンフ(フィーア)で御座います((便乗乙 うにゃぁ?!こんなのを面白いとな…!やっぱりですね、嬉しいです。感想をいただけるのも勿論新たなお方から貰えるのなんてもっと…!!(〃'▽'〃) これからも頑張って更新していきたいと思います!! (2014年6月18日 18時) (レス) id: 9333c965f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:肆 | 作成日時:2014年2月14日 18時