私の彼氏は気分屋すぎて困ります。【短編集】＊eins

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「えっ？ニャー？」


その声に私は即座に反応した。


俊介が「ニャーだってｗA可愛いｗｗｗ」と言っていたのはあえて無視しよう。


ニャー、という猫の高い、あの独特の鳴き声。


私は本体を探すべくきょろきょろしていると、ここから少し離れた道路の隅にいた。


クリーム色の毛をした、小さな猫が…


「猫！！」


私は猫に飛びつくように走る。


人に慣れているのか、ビクリとはしたが逃げる様子はない。


私はその猫をとにかく撫でまくった。


毛並みは整っていて、触り心地がとても良い。でもって可愛い。


「猫…」


「何？猫好きなの？」


追いついてきたであろう彼がしゃがみこんで問う。


私はそれに対し激しく首を上下させる。


「うん。猫大好きだよ？だって可愛いでしょ？このつぶらな瞳とかさわり心地のいい体毛とか」


「…A」


「可愛いなぁ。見てて癒される」


「A！」


「ああ、あと猫って言ったら肉球だよね！ぷにぷにしてて気持ち良くて…あと喉元撫でるとゴロゴロいってさ。可愛いよね…」


私は我を忘れて猫について様々な点を列挙していた。


だから俊介の呼びかけにも気づかない。


一人、自分の世界に浸っていると…不意に袖をくいっと引っ張られた。

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