6.夢の中 ページ6
久しぶりに懐かしい夢を見た。まるで昨日のことのように鮮明に映し出された…
『お母さん…お腹すいた』
「うるさい!!そこら辺にあるものでも食べてなさい!…私のことを“お母さん”なんて、二度と呼ばないで!」
『は、はい。ごめんなさい』
今の両親とは血が繋がっていない…いや、詳しくいえば前の両親とは半分血が繋がっていた。私は父の不貞が原因で生まれた娘だ。
私を産んだ母は歓楽街では美しいと有名な人だったらしい
義母は不貞をした父を許せなかったらしい。それで父にブランド物ばかり要求し、挙句にはホストなどに通い…捨てられた。
元々父は義母のヒステリックに飽き飽きしていたらしい。
父親ずらすらせずに3歳の私共々義母を捨てた。
義母が再婚した相手が今の義父であり、今の両親だ。
やはり、クズはクズ同士一緒にくっついていた方が居心地がいいらしい。互いの傷の舐め合いは見ていて本当に気持ち悪かった。
一度だけ、義母に聞いたことがある。
私がまだ捨てられたと言う認識ができていない時だった
『お父さんにはなんで会えないの?』
「それは、貴方のせいよ。貴方が生まれて私の生活が全て狂った。今頃幸せにあの家で暮らしていたはずなのに…」
___貴方が生まれたせいよ。
その言葉を理解した瞬間…抑えきれない感情が涙で溢れた
『っう…うぅ』グスッ
「ハッ、慰められやすい都合のいい顔だこと!」
そうやって殴られて、外に放置され、
「リン様!」
パッ
『?』
あれ、ここは…家(クソ共ら)じゃなくて…魔界?
オ「リン様…深く深呼吸してください!」
え?私普通に息してる、あれ?なんか…苦し、
『ガハッ、ヒュウヒュウヒュウヒュウ』
オ「リン様、リン様!」
『…』
オペラさんに呼ばれてるけど…反応、できない。ごめんなさい。ごめんなさい!___やっぱり私なんて…生まれ、
オ「…失礼します」
グイッ
ぎゅっ
トクンットクンットクンッ
オ「落ち着いてください。私の呼吸に合わせてゆっくり息を吸って吐いてを繰り返してください…そうです」
『ハァ、ハァハァ…ごめんなさい。ご、めんなさい』グスッ
とんっとんっ
オ「…大丈夫ですよ。私はここにいます。ですので今はゆっくりお休みください」
『あ、りがとう…ございます』
オ「おやすみなさい」
ぎゅっ
オ「…おや、なんと可愛らしい」フッ
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作者名:柴ぬい | 作成日時:2023年3月29日 2時