7話 呪縛 ページ7
楽がこのことに気づいているのかはわからない。
ただ、もし気づいているのなら、可哀想で仕方がなかった。
こんな落ちこぼれの姉の弟であるあの子が気の毒だ。アイドル業における汚点だろう。
いつも、真っ直ぐで曇のない眼差しを向けられるたびに、私は得体の知れない何かに押しつぶされそうだった。
とにかく、楽には苦労をさせないようにしなくては。
「楽、ホットミルクありがとう。私なんか眠くなってきたから、ちょっと寝るね」
「…そうか。おやすみ」
また急な眠気に襲われ、毛布を被る。
目を閉じると、すぐに眠れそうな気がした。
「…俺は姉貴はもうアイドルをやめてもいいと思うんだ。姉貴だって辛いだろう?」
「俺が頼りないから、やめれないか?」
そんなわけないじゃない。
楽が一番、頼りになるわよ。
「俺がもっと売れれば、姉貴は安心か?」
もう十分安心してるわよ。
例え、貴方がこれ以上売れたとしても、私は私なりに事務所にお金を入れるだけ。
ただ、私は今は楽のためじゃなくて、事務所のために、父さんのために働いてるの。
絶対に逃げられないのよ。
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ききみ(プロフ) - kiraさん» はじめまして！ありがとうございます！！ (2018年3月6日 19時) (
レス) id: acfb49be03 (このIDを非表示/違反報告)
kira(プロフ) - はじめまして！最終話まで読みました！ もう感動です！！これからも頑張ってください！ (2018年2月17日 23時) (レス) id: 0dfb0f50b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ききみ | 作成日時：2018年2月1日 23時
