23話 終焉 ページ23
「どうした。はやくサインしてくれ」
「こ、れは…」
声がうまく出なかった。
これを出されたということは、私は父さんに見限られたということか?
もう、必要ない存在なのか。
「…な、納得できません! あの報道は嘘です! 父さんもわかるでしょう?」
「あれは、俺が発表した」
「……え?」
「少しばかり誇張されてしまったがな。……でもこれで疑問は無くなっただろう」
あれを、父さんが発表した…?
そんなの、そんなのって。
あなたが1番、スキャンダルを恐れていたじゃない。
「っ!」
「A!?」
部屋を飛び出して走り出した。
涙で濡れた顔が風にあたって冷たい。
周りの目なんて気にしてる暇がなかった。
「…っ楽!!」
エントランスで私を待っていた楽を見つける。
私は楽に縋り付くようにして泣いた。
「楽、お願いよ。父さんになんとか言ってやって…?」
「……」
「楽? どうして、何も言わないの?」
私と目を合わせようとせず、ただ眉を下げている楽。
待ってよ。そんな態度、まるで全部知ってるみたいで。
「A」
いつの間にか追いついてきた父さんが再び私に紙を差し出す。
それに、容赦などなかった。
「い、いや…楽、ねぇ楽!!」
「……姉貴、もう終わらせよう」
「え…?」
信じられない言葉が聴こえた。
終わらせる?
あなたは、私のこと応援してくれていたんじゃなかったの?
あなたは、私が憧れじゃなかったの?
「い、いや。そんなっ……う、うぁ…なんで、なん、で」
楽の腕にしがみついたまま、ずるずると床に膝をつく。
私に選択など残されていなかった。
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ききみ(プロフ) - kiraさん» はじめまして！ありがとうございます！！ (2018年3月6日 19時) (
レス) id: acfb49be03 (このIDを非表示/違反報告)
kira(プロフ) - はじめまして！最終話まで読みました！ もう感動です！！これからも頑張ってください！ (2018年2月17日 23時) (レス) id: 0dfb0f50b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ききみ | 作成日時：2018年2月1日 23時
