20話 脅威 ページ20
「…姉貴!!」
「……」
次に目が覚めたら、病院だった。
窓を眺めていると、とっくに日は暮れていて、真っ暗だった。
ああ、また倒れたか、と思ったと同時に今日の仕事をダメにしてしまった自分が許せなかった。
「姉貴、聴こえるか?」
「…聴こえてる。ごめんね」
「疲労が溜まってるって。当たり前だろ」
「……そう」
楽の優しい手が伸びる。
弟に頭を撫でられるのはなんだか不思議で何回やられても慣れない。
「……楽、私しばらく休みたいわ」
「やっと言ったな。親父には言っといてやるから」
「ありがとう」
なんだか、肩の荷が降りる気分だった。
ふっと力が抜ける。
その時、楽が頭を下げた。
「姉貴、ほんとに悪かった。俺がもっと早く、無理やりでも休ませるべきだった」
「そんな」
「でも、姉貴も自覚してほしい。俺たちは完全じゃないんだ。自信過剰だけじゃいつか潰れる」
「…そう、ね」
「天もすげえ心配してたよ。アイツなりに先輩のお前のこと、尊敬してるからな」
すぐ隣にいた九条くんには悪い事をした。
彼もあのあとすぐ仕事だったのに、余計な心配をかけた。
「……天も、龍も、なんとなくお前と親父がトラブってることは察してた。まあ、お前にはそんな素振り見せなかったと思うが」
「バレてたの?」
「天たちの耳にも、LiLiが引退するっていうデマが入ってきたらしいんだ。そん時は、天が容赦なく質問攻めして嘘だってすぐわかったらしいんだけどな」
「そう……」
嫌な方向にことが広がり始めているのはわかった。
TRIGGERにまで矛先が向かなければいいが。
「……テレビでもつけるか」
楽がリモコンに手を伸ばしてボタンを押す。
しばらく画面を流して見ていると、テロップで「速報」と流れた。
「……え」
『アイドルLiLi、引退か』
信じられない報道に、目を疑った。
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ききみ(プロフ) - kiraさん» はじめまして！ありがとうございます！！ (2018年3月6日 19時) (
レス) id: acfb49be03 (このIDを非表示/違反報告)
kira(プロフ) - はじめまして！最終話まで読みました！ もう感動です！！これからも頑張ってください！ (2018年2月17日 23時) (レス) id: 0dfb0f50b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ききみ | 作成日時：2018年2月1日 23時
