私と兄とお友達【USSS】

79話 ページ31

「…」



会話が途切れて少ししてから、扉の向こうから顔をのぞかせるA



うらた「…そろそろ帰るわ」



坂田「じゃあ俺も風呂入ってくるかな」



「え、あ、うん」



立ち上がってドアに向かう俺と、風呂場に向かう坂田



「さ、さかたん、お見送りしないの…？」



坂田「…うん。しといて」



「わかった」



微笑みながらの坂田に、少し固まった笑顔で返事するA



怒ってるわけじゃない、俺も坂田も



ただちょっと、気まずくて



お互い顔を見合わせにくいだけ



一番仲いいヤツと、同じ人を好きになった場合なんてこんなもんだろ



と、結構冷静な俺と



なにも事情を知らず、険悪な俺たちにアタフタするA



うらた「ごちそうさま。うまかったよ」



「ううん。あ、そうだマカロンまだ食べてないよ…！」



うらた「あー。いいよ。二人で食べて」



「あ、うん、わかった…」



うらた「…あの」



「うん？」



うらた「2人で、また出掛けるって話…時効じゃないよね」



「へ！？え、あ、う、うん…」



俺がAに告白をした日のことを思い出したのか、顔を赤くして俯くA



うらた「…今度、俺ん家きて…次こそは、ちゃんと相談しよ」



「…うん」



うらた「…アイス、買っとく」



そう言って笑いかけると、少し和んだ空気に安心したのか頬を緩めて



「…LINE、まってるね」



と言った



そのまま手を振られたので扉を開けて家を出る



が、隣の扉を開ける気力もなく、扉の前にしゃがみ込んだ



今の顔、可愛すぎだし



…ちょっと意識されてる？



坂田にしか見せてないような特別な可愛い顔



俺にも、見せてくれた

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