【REBORN！】大空に繋ぐ者Ⅲ (ページ8)

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眼ページ8

「…く……くん…

おーい…

白蘭くん？」

自身を呼ぶ声にハッとする。

「ごめんごめん

ちょっとボーッとしてた」

へにゃりと笑って見せる。

目の前に立つ百合チャンを見ると、
彼女を白く染めた日のことを不意に思い出していた。

　
　
…傑作だよねえ、綱吉クン？

今は亡きボンゴレボスに問いかける。

答えが返ってくるはずもない。

　
　
　

「それで、
雨の守護者と会ったんだって？」

百合はラッビアファミリー討伐の際に
山本武と邂逅したことを報告しに来ていた。

「うん

でもすぐに撤退したから損害は小さいよ」

「……殺さなかったんだ？」

白蘭は眉をひそめ、眼光を鋭くする。

「…あの場にいた隊員には
守護者レベルの討伐は難しい

雨の守護者と私だけなら結果は違っただろうけど
あそこにはラッビアも雨の守護者の部下もいた

守護者の討伐なら隊員を再編成する必要があると判断したから撤退しただけ」

百合ははっきりと白蘭を見据える。

「…私は

『命を無駄には散らさせない』と

言ったよね」

百合の冷たい眼差しに
白蘭は思わず息を飲んだ。

…へえ
そんな顔できたんだ

ごっこ遊びとしての夜空は
10年前に卒業したってところかな

「……あぁ分かってるよ

ん、オッケー

報告ご苦労様」

「…また任務があったら声をかけてね」

睨みつけたことを申し訳なさそうに笑うと
百合は白蘭の部屋を後にした。

………面白いなぁ百合チャン

ケラケラと笑い、マシマロを頬張る。

「あ、そういえば」

百合チャン、日本で仕事をしたいって言ってたっけ

せっかくだから正チャンの所(メローネ)で一緒に働いてもらおうかな

「うんうんそうしよう！」

さっそく正チャンの連絡先へ発信する。

数回のコールの後、
寝ぼけ眼の入江正一が姿を現した。

「やあ正チャン

さっそくなんだけど、
正チャンのメローネ基地に百合チャンも配属することにしたから

大丈夫だよね？」

「…………それは構いませんが

白蘭さん」

「ん？」

「………………今、夜中の３時ですよ」

ポカンとした白蘭は改めて時計を眺める。

「……あははは！ごめんごめん！

イタリア(こっち)はまだ２０時だからさ！
時差のことをすっかり忘れてたよ！」

ハァ…と大きなため息を吐くと、
入江正一は「おやすみなさい白蘭さん」とだけ言って電話を切った。

「…今日はよく睨まれるなあ」

フフフフと笑いながら
また一つマシマロを頬張った。