【REBORN！】大空に繋ぐ者Ⅲ (ページ4)

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それは、地獄の様だったページ4

東棟を経由し、中央部に向かって駆ける。

道を進むに連れ、敵の数も多くなってきた。

「時雨蒼燕流攻式一の型…」

車軸の雨を放つ。

ミルフィオーレ隊員に奇襲をかけつつ
ラッビアの構成員を保護する。

中央部に近づくに連れて
ミルフィオーレ隊員の数は増えていくが、
妙な違和感があった。

…逃げた？

走り去った隊員の後を追いながら考えを巡らせる。

俺の姿を捉えると慌てふためく様に撤退する

中には俺の方に向かって来る隊員もいるが
どう数えても撤退する隊員が多い

「…分かんねえな」

分からないことだらけだった

本来ならば
向かって来るはずの隊員が逃げること

…百合がここにいること

…………ボンゴレを…裏切った…こと

　
　

…やめよう

今考えるべきことはラッビアの保護だ

「…敵の本陣だ
行くぞ！！」

既に機能を失いつつある大きな扉を
蹴破って突撃する。

思わず目を見開いた。

　
　
　

時が

止まったように感じた
　

　
　

　

百合は、そこにいた
　
　

見慣れた銃を携え
見慣れぬ服に身を包んだ百合が
自身と同じ様に目を見開いていた。

「っ…もう来たのか」

山本よりも僅かに早く冷静さを取り戻した百合は周囲の隊員に向けて声を上げる。

「雨の守護者だ！総員撤退！！

殿は私が務める！」

真っ白な隊服に身を包んだ百合が
こちらに向き直る。

「開匣
はと子は先導！烏丸は撹乱を！」

かつて背中を預けていたはずの匣兵器が飛び立つ。
　

百合は銃を構え、

的確に
　

　
俺へ向けて放った。

　

　
「っ…！蒼燕！

守式二の型…」

雨燕が降らせた雨と逆巻く雨により
放たれた夜空の炎を防ぐ。

「百合っ！！！」

巻き上がった水が収まる頃には
既に百合はいなくなっていた。

「………」

雨が、返り血を洗い流してゆく。

「山本…さん…」

部下は思わず声をかける。

背を向けていた山本は振り返ると
ニカッっと笑って見せた。

「…よーし！
ラッビアの奴らも揃ったな！帰るぞ～！

早く帰って報告書を書かねぇと
獄寺に怒られちまうからな」

ハハッと笑う山本に
部下たちは顔を見合わせる。

「…そうですね！
報告書作り頑張りましょう！」

この日の出来事は
山本さんの触られない傷となってしまった

…夜長さん…どうして…
　
　

　

　

ぐるぐると思考が惑う中
ラッビアファミリーの拠点から離れた。