【REBORN！】大空に繋ぐ者Ⅲ (ページ2)

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灯ページ2

「炎は全部で
大空、雨、嵐、晴、雷、雲、霧、夜空の8つ」

百合隊長が順に8度指を折り、
それをじっと見つめる。

「例えば、

白蘭くんは大空
入江隊長は晴
γ隊長は雷

といったように
人によって灯す炎が異なることは
この前伝えたよね？」

「はーい！

それでそれで、炎は覚悟で灯すんだよね！」

ピスティーロは習った成果を存分に発揮しようと積極的に声を上げる。

「そのとおり！

じゃあ、皆が炎を灯せるようになったから
属性を確認してみようか」

隊長の声に合わせて炎を灯す。

「俺は嵐だな
ピスティは晴
イペさんは、」

ステイマンの言葉が止まる。

イペロスのリングに灯った炎は
弱々しいものであった。

「…なんだか薄いね」

「……そうだな…」

イペさんがションボリと眉を下げると、
隊長は優しく微笑む。

「気を落とさないで

炎圧が弱いのかもしれないけれど
覚悟はしっかり灯っているよ

…うん、とっても綺麗な大空の炎だ」

それにほら、と隊長は続ける。

「私の炎は見えないし

炎には個性が表れるんだと思うよ」

百合の炎は色を持たなかった。

ただ、じんわりとそこに在る。

不思議な炎であった。

「よーし！

それじゃあ
次は武器に炎を灯してみようか

ゆっくりと炎を流すイメージで…」

ピスティーロは鎌へ
ステイマンは銃へ
イペロスは槍へ

それぞれの炎を灯す。

「…うん、大丈夫そうだね」

各々の武器に灯る炎を見た隊長は
嬉しそうに悲しそうに目を細めた。

隊長はたまによく分からない表情(かお)をする

「…貴方達は
ついこの間までマフィアと無縁の生活を送っていた

…無理に戦わなくていいの

これは自分を守るために使ってほしい」

私はマフィアの抗争に巻き込まれて
家族を失った

ステイマンとイペさんのことは詳しくは知らないけれど、たぶん同じような目に遭ったんだと思う

だから
隊長の下につくように言われた時は
どんな怖いことをさせられるのだろうと震える日々を送っていた

でも、そんなことはなかった

隊長は怖いことはさせない

それどころか私を妹のように扱ってくれる

イペさんとステイマンはお兄ちゃんみたいな存在だ

…この部隊でよかったなぁ

「…うん！まっかせて！」

隊長は微笑む。
　

「白蘭くんからの命令は分からないけれど、
私からはただ一つ

『生き延びて』

逃げても構わない
生きているのならそれでいいんだから」

　
　
　

また、悲しそうな顔をした。