何も ページ16
「リ・ボーン！
死ぬ気で山本を助ける‼‼」
「おぉ‼無事みたいだぞ‼」
恐る恐る、屋上から二人が落ちた先を覗き込んだ男子生徒が叫んだ。
「やっぱり冗談だったんじゃね？」
「な〜んだ心配して損した」
「戻ろうぜー」
野次馬が散っていく中、
ゆりはまだフェンスから目を離せないでいた。
「夜長さん…大丈夫？」
声をかけられ、ゆっくりと振り返る。
…あぁ京子ちゃん達も来てたんだ
京子が声をかけるとゆっくりとこちらを向いた。
その目からは今もなお涙が流れていた。
「……良かっ…た」
そう呟くとそのまま倒れ込んだ。
「え⁉ちょっ…ちょっと⁉」
「夜長さん‼」
京子が駆け寄る。
その姿を見ながら花の思考は停止していた。
夜長 百合は
幼馴染になんと言われようと
涙で顔がぐしゃぐしゃになっていようと
笑ったのだ。
「なんなのよ…あの子」
ふと我に返り、慌てて駆け寄ると
どうも眠っている様だった。
「は、はな…どうしたら」
「た、たぶん大丈夫だと思うけど…
取り敢えず保健室に運ぶわよ！」
京子と二人で肩を支え、どうにか保健室前にたどり着く。
足でドアを開け、愚痴を零す。
「なんで保健室の先生がいないのよ！
この学校おかしいんじゃないの⁉
あーもう！」
ゆっくりとベットに下ろす。
「……ん？」
どうやら目を覚ましたようだった。
「ここ…は」
「保健室よ
アンタいきなり倒れてびっくりしたんだから」
倒れた…？
「ごめん
迷惑かけちゃって」
「ううんいいの
具合はどう？」
「 大丈夫
ここの所少し寝不足だっただけから」
そういえばここの所よく
「おい夜長！起きろ！」と教科担任が言っていた。
夜中に何かしてるのかしら
「寝不足？」
「うん…考え事をしてたんだ」
「…話せる？」
京子ちゃんも花もやっぱり優しい…
この二人にだけは本音を言ってもいいかな…
「……武くんが
何も相談してくれないの…
必死に隠そうとして……だから、
私も何も言えなくて…
どうすればいいか分かんなくて」
イレギュラーの私は何をしていいか分からなくて
武くんから言い出さなければ、こちらから尋ねる訳にもいかなくて
「結局、何も出来なかった」
再び涙が頬を伝った。
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葉っぱ(プロフ) - ルナさん、コメありがとうございます！ニヤニヤしていただけて嬉しいです！！今後もよろしくお願いします。 (2017年8月6日 19時) (
レス) id: b170ec38f3 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - すっごく面白い作品ですね！山本との絡みを見てニヤニヤしてしまいます←これからも更新頑張ってください！ (2017年8月6日 18時) (レス) id: 9b1390adf3 (このIDを非表示/違反報告)
葉っぱ(プロフ) - 日向雨さん、コメありがとうございます！やっと原作入りしました。今後もよろしくお願いします！ (2017年6月18日 10時) (レス) id: 68b5097854 (このIDを非表示/違反報告)
日向雨 - まだ序盤ですが、面白いです。続き、頑張ってください！ (2017年6月18日 5時) (レス) id: 117e6ef6eb (このIDを非表示/違反報告)
葉っぱ(プロフ) - まゆさん、コメありがとうございます！励みになります。今後もよろしくお願いします。 (2017年6月10日 17時) (レス) id: 68b5097854 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉っぱ | 作成日時：2017年5月28日 14時
