紡ぐ ページ15
遅刻ギリギリの時間に登校する。
教室には人がほとんど居なかった。
僅か数人残っていた生徒に声をかける。
「ねぇ、何で皆いないの？」
「あぁ〜なんか山本が飛び降りるとかなんとか言ってるらしくてさ
俺たちは絶対冗談だって言うのに皆屋上に行っちまって
っておい！」
言葉を途中で遮り、屋上に向かって走る。
まさか今日だったなんて…
『夜長 百合』としてではなく『幼馴染』として屋上へ向かった。
「武くん！」
野次馬の声がぴたりと止み、視線が集まる。
一時の沈黙の後、
「誰だ？あの子」
「１−Ａの夜長じゃね？
あいつ確か山本の幼馴染だ」
突然の幼馴染の登場に再び周囲がざわつく。
「アンタ！山本君の幼馴染なんでしょ‼
止めなさいよ‼‼」
一人の女子生徒が声を荒げる。
それに続くように何人かの生徒も声を荒らげた。
あの子たちは確かファンクラブの子だ。
…そんな簡単に勝手なことを言わないでよ
救えるのは私じゃないんだってば
…そう本当は何も言わないつもりだった。
だけど一向にツナが
おそらくこれが
『原作のズレ』
ツナが現れるまで時間を稼がないといけない
「ゆり…来ちまったのか」
武くんは悲しそうな表情を見せた。
「……本当にいいの？」
「…俺には
野球の神様は味方してくれなかったからな
もういいんだよ」
そんなこと…
「そんなこと言わないで‼ 」
「…そんなこと？
ゆりには分かんねぇだろうな！
俺の気持ちなんて‼」
滲み出る涙をぐっと我慢する。
「っ…
分かんないよ‼野球から逃げてる武くんの事なんて‼ 全然分かんないよ‼‼」
「逃げてる訳じゃねぇ‼
野球に見捨てられたんだ‼‼」
私はこんなに声を荒げる『
それでも必死に言葉を紡ぐ。
「……絶対に野球と同じくらい熱中するものがあるから‼」
「ねぇよ！俺には野球しかねぇんだ‼
もうほっといてくれ‼
ゆりには関係ねぇだろ‼‼」
ズキン
堪えきれなくなった涙が頬を伝う。
関係ない…なんて言われたら
私が悩んで諦めたのは何だったのだろう
私は武くんにとって何だったのだろう
１０年間一緒に過ごした日々さえ否定された気がした。
これ以上は何も言えなかった。
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葉っぱ(プロフ) - ルナさん、コメありがとうございます！ニヤニヤしていただけて嬉しいです！！今後もよろしくお願いします。 (2017年8月6日 19時) (
レス) id: b170ec38f3 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - すっごく面白い作品ですね！山本との絡みを見てニヤニヤしてしまいます←これからも更新頑張ってください！ (2017年8月6日 18時) (レス) id: 9b1390adf3 (このIDを非表示/違反報告)
葉っぱ(プロフ) - 日向雨さん、コメありがとうございます！やっと原作入りしました。今後もよろしくお願いします！ (2017年6月18日 10時) (レス) id: 68b5097854 (このIDを非表示/違反報告)
日向雨 - まだ序盤ですが、面白いです。続き、頑張ってください！ (2017年6月18日 5時) (レス) id: 117e6ef6eb (このIDを非表示/違反報告)
葉っぱ(プロフ) - まゆさん、コメありがとうございます！励みになります。今後もよろしくお願いします。 (2017年6月10日 17時) (レス) id: 68b5097854 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉っぱ | 作成日時：2017年5月28日 14時
