おかしいですね 土方side ページ5
土方side
……頭が、くらくらする。まるで浮いているような、気持ち悪い浮遊感に囚われている。身体にあまり力が入らない。が、なんとかゆっくりと目を開けてみると、俺の視界には木製の天井が映る。いつもと同じ、自室の天井である。
俺は何故眠っていたのだろうか。あまり記憶がない。使い物になりそうにない頭をそれでも動かして考えようとしていれば。
「……あ、起きました?土方さん」
土「……A…」
ひょこり、俺の視界に入ってきたのは、いつものようにヘラリと笑って見せているAだった。どうやら俺は布団の中にいるらしかった。
「もう、びっくりしたんですからね!土方さん急に倒れるんだもん」
土「……そうか」
あぁ、そうだ。俺は確か、朝からなんだか体調が優れなくて、Aと会話をしている最中に視界がぐにゃりと歪んで、そのまま意識を手放したんだ。そこらへんは、なんとか思い出せた。
「土方さん、熱があるみたいですよ。おでこ、熱冷まシート貼っときましたから」
土「あぁすまん」
額には確かにひんやりとした感覚があった。俺の顔を覗き込むAにそう返すと、俺はむくりと気だるい身体を起こした。
「えええ……ちょ、ちょっと土方さん何してんですか…!?」
土「何って、仕事すんだよ。お前今まで一人でやってたんだろ」
時計を見ればもう11時を回っていた。俺の記憶が正しければ俺が倒れたのは朝食後の8時過ぎ。どうやら、結構な時間、眠ってしまっていたらしい。Aに悪いことをしちまった、とらしくなく思う。
「……土方さん、おかしいですね」
土「あ?…何がだ」
「バカは風邪ひかないって言うでしょ」
土「何が言いてぇんだオメーは」
「鈍いんですね!!土方さんはバカだっつってんですよ!!」
土「病人を労りやがれエエ!!」
大きな声を出したせいか頭痛に響くが、今のコイツの発言には突っ込まねぇと気がすまない。
土「お前俺のこと無慈悲だっつーけどお前も似たようなもんだろ!!病人にバカとはなんだバカとは!!」
「だってバカでしょどう考えても!!100%バカですよ!!」
土「テメー表出やがれ叩き斬ってやらァ!!」
と、立ち上がろうとするも今の俺の身体は全く機能してくれないらしく、すぐにクラリと体制を崩してしまう。
「あああ……ほら!ダメですよ寝てないと!!決闘なら後日受けますから!!仕事も今日はいいですから!!」
兎に角今は寝ててください!!と。俺を無理矢理布団の中へと押し込む。力が入らない俺はされるがまま、暖かい布団に収まってしまう。
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のゆり(プロフ) - ピピコさん» いえ!私無類の土方推しでして!沖田の方の小説も楽しみにしています!これからも更新頑張ってくださいね! (2018年1月4日 10時) (レス) id: b3b81574c1 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - のゆりさん» のゆりさん!ありがとうございます!一気読みなんて嬉しいです!ご指摘もありがとうございました!なんて恥ずかしい間違いをしていたのでしょうか…!!助かりました!引き続きお楽しみ頂けたらと思います! (2018年1月4日 10時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
のゆり(プロフ) - 失礼します!このお話とても好きになりました!一気読みしてますー!えと、1つよろしいですか!「お話を選んでね」欄の「by土方」のbがdになってますよー!「dy」土方になってます!以上です、失礼しました! (2018年1月4日 10時) (レス) id: b3b81574c1 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 獅子の子さん» このシリーズの夢主ちゃんは本当に私好みの性格なのでそう言って頂けて嬉しいです^^私の理想そのものなので! (2017年7月24日 11時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
獅子の子(プロフ) - ピ…ピピコさんっ! どうしましょう、この小説、もちろんトッシーもカッコいいんですけど、夢主ちゃんのさりげない優しさに惚れかけてる自分がいます! どうしましょう!←2回目 (2017年7月24日 0時) (レス) id: d0488b3ee5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年6月25日 15時