土方さんが、 ページ32
土「ったく……テメーは少し目ぇ離すとすぐに消えやがって…」
「土方さんがボケッとしすぎなんですよ」
土「だから何で俺が全部悪いみてーな言い方なんだよ!?」
全部100%お前が悪いからな!!と。朝も私とあれだけの死闘とも言える喧嘩を繰り広げたのに疲れていないのだろうかこの人は。そう思えるほど、彼は怒鳴りまくっている。まぁ、いつもの事なのだけれど。
「…土方さんっていつも大変ですねぇ。ご愁傷さまです」
土「それもこれも全てテメーのせいなんだけどな…!!」
ああもう、と言うように肩を落とす土方さん。それでも掴んだ私の襟首を離さない。もう諦めて離して私を自由にしてくれてもいいというのに。頑固な人だ。「コイツのために体力使うのやめよ」と小さく呟き、ズンズンと彼は歩を進める。私も引きずられていく。
「それにしても、沖田くんが仕事ですって土方さん」
土「……あぁ」
「明日あたり土方さん死ぬかもですね」
土「……いや何でだよ!?」
と、一瞬間があったことが気になったけれど、聞く前にどうやら副長室、仕事場に到着してしまったようで。私は気が重くなるのを感じる。
土「テメーもたまには真面目に仕事しろ」
「嫌だな、この間土方さんが風邪でぶっ倒れた時、誰が助けてあげたと思ってるんですか。赤坂さんだぞ」
土「その真面目さをもっと生かせ」
「うわ無視!?また無視なんですね!?」
酷い。二回も無視するなんて酷すぎる。項垂れる私を他所に、土方さんは仕事をするべく準備を始めている。やはり、無慈悲の塊だ。
私も渋々仕事の準備をする。口をへのじに曲げて。
「そういえば、沖田くんの用事って、土方さん知ってます?」
土「……知らねぇ」
土方さんにそう聞いてみるものの、彼はこちらに顔を向けることなくそう返した。土方さんでも知らないのか。それは意外だった。確か沖田くんと土方さん、あと近藤さんは、結構な長い付き合いらしいし。
……確か、武州とかいう所から上京してきたと、聞いたことがある。
土「……あぁ、そういや、」
と、土方さんは不意にそう言うと私を見る。その声に私も土方さんを見返す。
土「……俺も明後日(あさって)、非番取ってるから」
と。土方さんはそう言った。明後日、非番だと。非番。つまり休み。有給休暇。
………え。
………土方さんが、有給休暇?
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のゆり(プロフ) - ピピコさん» いえ!私無類の土方推しでして!沖田の方の小説も楽しみにしています!これからも更新頑張ってくださいね! (2018年1月4日 10時) (レス) id: b3b81574c1 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - のゆりさん» のゆりさん!ありがとうございます!一気読みなんて嬉しいです!ご指摘もありがとうございました!なんて恥ずかしい間違いをしていたのでしょうか…!!助かりました!引き続きお楽しみ頂けたらと思います! (2018年1月4日 10時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
のゆり(プロフ) - 失礼します!このお話とても好きになりました!一気読みしてますー!えと、1つよろしいですか!「お話を選んでね」欄の「by土方」のbがdになってますよー!「dy」土方になってます!以上です、失礼しました! (2018年1月4日 10時) (レス) id: b3b81574c1 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 獅子の子さん» このシリーズの夢主ちゃんは本当に私好みの性格なのでそう言って頂けて嬉しいです^^私の理想そのものなので! (2017年7月24日 11時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
獅子の子(プロフ) - ピ…ピピコさんっ! どうしましょう、この小説、もちろんトッシーもカッコいいんですけど、夢主ちゃんのさりげない優しさに惚れかけてる自分がいます! どうしましょう!←2回目 (2017年7月24日 0時) (レス) id: d0488b3ee5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年6月25日 15時