幸せの結晶 ページ28
*
「……有り得ないです」
土「……何がだよ」
……あれから数週間後。すっかり風邪も治り通常運転を取り戻した土方さんの向かいに腰掛けた私は、彼の目の前にあるソレを凝視するなりそう呟いた。現在地、食堂。朝ご飯を食べに来たのである。
……ここまで言えば、きっと皆さんはお気づきだろう。
「アンタの目の前にある黄色い奴に決まってんでしょうが!!!」
バッ、と指差した先にあるのは、朝から女中さんが炊いてくれたほかほかピカピカの白いご飯の上に、無惨にも油の塊がぶっかけられたもの。土方さん曰く、土方スペシャル。一般人から見たら、犬の餌。
「アンタはやっぱり無慈悲です!!何が悲しくてその美味しそうなあきたこまちの上にマヨネーズかけるんですか!!」
土「悲しくなんかねーよ!!幸せの結晶だろーが!!」
「あきたこまちに謝ってください!!」
土「テメーこそマヨネーズに謝りやがれ!!」
隊「まーたやってるよ、副長とAさん」
隊「早いとこくっつけばいいのになァ」
いつも通りの朝。食堂には私と土方さんの喧嘩の声が響いている。これは最早日常茶飯事である。朝から喉が疲れる疲れる。
隊「もう隊内じゃいつ二人がくっつくのかで持ちきりだしな」
隊「でも絶対副長はAさんに気ぃあるって。一応美人だし、あんな人に傍に居られてグラッと来ない男は居まいよ」
山「それにしたって、お似合いだよな、お二人って」
土「山崎テメー切腹だアアア!!」
「山崎アンタ切腹だから!!」
山「いやなんで俺だけ!?」
さっきから喧嘩で忙しくて放っておいてみたら、何を勝手なことをほざいてんだコイツらは。私は土方さんと共に一時休戦して噂をしていた隊士達を睨みつける。
「あのねぇ!こんなマヨネーズ男とお似合いとか、論外だからね!?バカにしないで!!」
土「テメーらそんなクソ下らねぇことばっかほざいてねェで仕事しろ!!こちとらこんなトッポ女願い下げだ!!」
……
土「誰がマヨネーズ男だ!!」
「誰がトッポ女ですか!!」
……真選組。ある日の朝なのである。
隊「やっぱお似合いだよな…」
隊「な」
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のゆり(プロフ) - ピピコさん» いえ!私無類の土方推しでして!沖田の方の小説も楽しみにしています!これからも更新頑張ってくださいね! (2018年1月4日 10時) (レス) id: b3b81574c1 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - のゆりさん» のゆりさん!ありがとうございます!一気読みなんて嬉しいです!ご指摘もありがとうございました!なんて恥ずかしい間違いをしていたのでしょうか…!!助かりました!引き続きお楽しみ頂けたらと思います! (2018年1月4日 10時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
のゆり(プロフ) - 失礼します!このお話とても好きになりました!一気読みしてますー!えと、1つよろしいですか!「お話を選んでね」欄の「by土方」のbがdになってますよー!「dy」土方になってます!以上です、失礼しました! (2018年1月4日 10時) (レス) id: b3b81574c1 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 獅子の子さん» このシリーズの夢主ちゃんは本当に私好みの性格なのでそう言って頂けて嬉しいです^^私の理想そのものなので! (2017年7月24日 11時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
獅子の子(プロフ) - ピ…ピピコさんっ! どうしましょう、この小説、もちろんトッシーもカッコいいんですけど、夢主ちゃんのさりげない優しさに惚れかけてる自分がいます! どうしましょう!←2回目 (2017年7月24日 0時) (レス) id: d0488b3ee5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年6月25日 15時