余計なお世話 土方side ページ16
土「……って、何を考えてんだ俺ァ」
…体調崩して脳でもイカれたのだろうか。そんなアホらしいことを考えてしまっていた。そんな自分に苛立ち、俺は溜め息を漏らしつつ、たたんで置かれていたジャケットの胸ポケットからタバコを取りだし、口にくわえた。ずっと寝てたせいか、ニコチンが足りないらしい。
ライターで火をつけ、煙をはきだす。俺の頭に居座るバカみてぇな思考を追い出すように。白く登るそれを見送りながら、先程までAが座っていた場所になんとなく目をやる。
…アイツは今日ずっと、ひーひー言いながらも一人で仕事をこなしてくれていた。俺の前で弱音も言わなかった。それは恐らく、俺のことを気遣ってのことなのだろう。
そんなことを考えていれば、突如部屋に足音が近づき。
山「あ、調子はどうですか?副長」
と、ソイツ、山崎の野郎が顔を出した。今日も今日とて地味なソイツは、そう呟くなり俺の部屋に足を踏み入れた。
山「あ、ダメですよ副長。病人がタバコなんて吸ったら」
土「うるせぇな、もう熱も下がった問題ねぇ」
山「ったく、肺炎になっても知りませんよ」
土「生々しいこと言うんじゃねーよ」
俺と少し距離を開けた場所に腰を下ろし、苦笑いを浮かべるソイツ。何をしに来たんだろうか。
土「…お前、なんか用でもあってここに来たのか」
山「いえ、歩いてたらAさんに会って、一応副長の見張りをしてくれと頼まれました」
副長が脱走するといけないから、と。
土「しねぇっつの…」
山「心配してるんですよ、Aさんも」
土「余計なお世話だ」
さっきも言ったが熱も下がったのだ。そこまで過保護にする必要はねぇし、つーかこの程度であんな過保護にすることはなかったのだ。あんなん薬を飲んでおけばそのうち治る。
そう思いながら、また煙をはきだすと。
山「……副長、その言い方はあんまりですよ」
と。「あ?」とソイツに目をやれば、山崎は何処か、真剣な面持ちをしていた。
そんな面をひっさげているとは思っていなかったもので、俺は一瞬目を丸くしてしまった。山崎はそう言うと、呆れたように溜め息をひとつついた。
269人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
のゆり(プロフ) - ピピコさん» いえ!私無類の土方推しでして!沖田の方の小説も楽しみにしています!これからも更新頑張ってくださいね! (2018年1月4日 10時) (レス) id: b3b81574c1 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - のゆりさん» のゆりさん!ありがとうございます!一気読みなんて嬉しいです!ご指摘もありがとうございました!なんて恥ずかしい間違いをしていたのでしょうか…!!助かりました!引き続きお楽しみ頂けたらと思います! (2018年1月4日 10時) (レス) id: f6c7f9fb7e (このIDを非表示/違反報告)
のゆり(プロフ) - 失礼します!このお話とても好きになりました!一気読みしてますー!えと、1つよろしいですか!「お話を選んでね」欄の「by土方」のbがdになってますよー!「dy」土方になってます!以上です、失礼しました! (2018年1月4日 10時) (レス) id: b3b81574c1 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 獅子の子さん» このシリーズの夢主ちゃんは本当に私好みの性格なのでそう言って頂けて嬉しいです^^私の理想そのものなので! (2017年7月24日 11時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
獅子の子(プロフ) - ピ…ピピコさんっ! どうしましょう、この小説、もちろんトッシーもカッコいいんですけど、夢主ちゃんのさりげない優しさに惚れかけてる自分がいます! どうしましょう!←2回目 (2017年7月24日 0時) (レス) id: d0488b3ee5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年6月25日 15時